主 2023-03-12 23:09:40 |
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(現れた最高総司令官の男の存在に息を飲むも、最高総司令官という名前からは想像すらつかない程“普通”の男だった。
冷や汗を感じながら相手に向き直るもそこには相手の姿が無く焦りから名前を呼んだ所で瞬時景色が変わる。
真っ白な部屋、目の前にあるのは大きな鳥居。
その奥で大きな何かが蠢いているのが目に入り静かに身構える。)
『何をしているのだ。近う寄れ。儂は目が悪いのだ。』
「だ、誰。」
(恐る恐る近付けば目の前には大蛇が神々しく佇んでいた。)
『説明が面倒じゃな。お前さんに力を貸してやろう。まずは印を結ばなければ。ほら、おまえさんの好物を寄越せ。』
「…え?食べ物、とか?」
『何でも良い。早よせい。そう時間をかけてられんぞ。』
(術で家の冷蔵庫から“好物”を呼び寄せ恐る恐る大蛇の前にそっと置く。)
『何だ。それは。』
「あ、今開けます!」
(プシュッと音を立てプルタブを捻り大蛇の前に再び差し出せば、大蛇は豪快に声を上げて笑った。)
「好物って。…これが浮かんでしまった。」
『良い良い。ただ儂は缶を起用に扱えぬ。お前さんの手の平に注いで飲ませてくれ。』
(言われるがままビールを手の平に注ぎ大蛇に差し出す。
大蛇は長い舌を器用に使い手の平のビールを飲み干した。)
『いやはや面白い女よ。気に入った。それでは思い浮かべてみろ。この儂の力をどう使うか。』
(武器は刀しかない。目を瞑り刀を握れば刀に何かが入り込んで来る感覚がし僅かに身震いする。)
『さあ。思う存分使ってくれ。』
(大蛇の声が遠くなり、目をゆっくりと開けば先程の景色。何が起こったのかと辺りを見回せば硝子に写り込んだ自分の黒目の部分が蛇のように細長く縦に伸びており狐の面には水色があしらわれた蛇の紋様が施されていて。)
『何を、していたのです。』
「何って…私もよく分からないけど。…兎に角お前の狙いが太陽なのであれば容赦しない。』
(刀を握り直し冷ややかに敵を見詰めては小さな声で「冷静に。冷静に。」と繰り返す。)
『貴方達はまだお若い。世界を安寧の黒に染め上げる為に太陽君が必要なんです。子供はいつでもできるでしょう。太陽君は神になるんですよ。」
「じゃかましわド腐れ野郎がァ!!!!!!!!!!」
(冷静さなんて保っていられなかった。瞬時、スーツの男がバリアの様な結界を張るも構わず斬撃を叩き込む。
『力任せですか。レディに似付かわしくありませんね。』
「うるせェなカス!!!!!!」
(怒声を響かせ結界を破壊すればその衝撃で吹き飛ばされる。何とか体制を保ち距離を取れば敵は呑気に拍手をしていて。)
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