主 2023-03-12 23:09:40 |
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(俄かに信じ難い相手の話を聞きながらアイスを受け取ろうと手を差し出すも相手は何も買って来ていない様子。煙草を吸う為だけにコンビニに行ったのかと呆れるも、息子の事を指す会話内容に耳を傾ける。中年男性とやらの特徴を相手に問いただすもこれと言った特徴の無い“どこにでも居そうなサラリーマンの中年の男”。これでは特定も難しい。何でこのタイミングで、と舌打ちをするも自分達の運の悪さは今に始まった事では無い。食べたいと思ったスイーツはいつも売り切れだしトイレに行きたくなった時は清掃中。予定を立てて出掛けようと思えば毎回雨。今回も運が悪かったのだ。)
「取り敢えず、結界を張っておこう。暫くは日陰が休みだから良いけど…保育園にも結界を張ってそれから本部に連絡し、」
(思えば、相手の説明に引っ掛かりを感じる。“御子息”だなんてつい先程聞いたばかりの丁寧な単語。不気味な違和感を感じ「…本部には連絡しない。」と言い切る。疑心暗鬼に陥っているだけだと信じたい気持ちで、残り一本だった煙草に火を着けて。)
(翌日、相手も自分も休みだった為本部に出向こうと息子を保育園に預けては二人がかりで大規模な結界を張る。どちらにせよ事は早めに終わらせたい。車に乗り、相手と自分の服を制服に変化させては本部へとインカムを繋ぐ。)
「ちょっとお話ししたい事があるので今から向かいます。」
『-奥様。急には困ります。-』
「ならいつが良いですか。」
『-ご夫妻との直接的な接触は控えるようにと上層部から命じられています。-』
「なら上層部の人達に会わせて下さい。」
『-困ります。-』
(相手はもう気付いているだろう。“いつもの人じゃない”。私達の事を“ご夫妻”と言ったり“奥様”と呼んだり。昨夜、息子の事を話し合った際の時からだ。“いつもの人”はどうしたのだろう。___今更だが、名前も知らない。ただ、今の接続先が別の人である事だけは分かっている。)
『燈、日影、親しみを持って名前で呼ばせて頂きますね。よろしくお願い致します。』
(大分前に初めてインカムを繋いで本部とやり取りした際の一言。「もう向かってます。誰でも良いので話がしたい。ほら、私達って信頼関係を大切にしないと何ですもんね。私今、すこぶる疑ってるんです。安心させて下さい。」と煽るような口調で言えばインカムは繋がれている筈なのに何の返答も返ってこない。代わりに、まだ午前中にも限らず辺りが暗闇に包まれる。)
「何、これ。」
(結界でも張られた様に人気が無い。___進行方向に見える禍々しい雰囲気に表情を歪めては相手に速度を緩めるように支持する。)
「禍憑鬼…?敵の襲撃ですか?」
『-急な来社は困ります。-』
「ねぇ、聞いてますか!?禍憑鬼の情報は、」
『-急な来社は、-』
(話にならない。頭に来てインカムを放り投げれば空に浮かぶ僅かな“隙間”に目が行く。)
「違う。日影、ここは結界の中だ!私達、閉じ込められてる!」
(相手が急ブレーキを踏み車から飛び降りる。結界を使える人間なんて考えずとも分かる。一般人で無い事くらい。)
「そんなに本部に来られちゃ不味い理由は何。ここまでして邪魔したいの?…それに、何より、禍憑鬼を自由に操れるって、」
(沢山の疑問が頭の中を駆け巡る中、進行方向の先に見える存在を目視しては僅かに身震いする。顔に怪しげな札を付けられた恐ろしい形相の女。_否、亡霊や怨霊と言った方が良いだろうか。まるでホラー映画でも見ているかの様だ。刀を出現させ鞘を抜きいつもの如くその辺に放っては構える。)
『クル、ナ。コロ、ス。』
(敵の声に眉を寄せる。女の悪霊って確か達悪いんじゃなかっただろうか。)
「日影。早く片付けてあの隙間から結界を壊そう。」
(小さな声で言っては刀を構えて一呼吸置く。冷静にならなきゃ。冷静に。まるで術でも唱えるかの様な雰囲気を出しながら深呼吸したその刹那、)
「ブチ殺すぞクソがァ!!!!!!!!!!」
(とても冷静にはなれなかった。怒りに身を任せて叫んでは斬撃を繰り出し、取り敢えず近くの3体を撃破して。)
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