薔薇の乙女 2023-03-09 22:09:21 |
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…ありがとうございます
(暖かいなんていつぶりだろうか、本来自分の体温は無いに等しいのに、彼女の口から暖かいと言われた。つまり、体温が上昇しているということだ、そんなことなんてこの何百年間無かったのに。女性の扱いには長けていると思っていたのに、プライドを崩されていく気分にクラクラしてしまう。愛想のない言葉を零して、ようやく相手の目元から手を離して。長い間1人、そんな言葉に自分を重ねてしまう。気がつけば自分もそうだった、いつの間にか1人になって、いつの間にか寂しいなんて感情もなくした。「それは心細かったでしょう」と知りもしないのにそんな声をかけて微笑んでみる、その顔が少しだけ物寂しげに見えて。月の明かりに薄暗く照らされた、その白く透けてしまいそうな首から目を離せない自分がいる。「今夜だけは俺がいます」とまたマリアの華奢な手をそっと取って)
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