薔薇の乙女 2023-03-09 22:09:21 |
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いいえ、違うんです。
……その、デーヴィト様の手が、暖かくて。
( 初対面の男性にこんなことを言ったら、はしたない女だと思われてしまうだろうか。それでも他になにか言い訳を思い浮かんだわけでもなく、これ以上彼を心配させる訳にも行かず、バカ正直に自分の感じたことを話して。白い陶器のような頬は、彼のブラッドレッドの瞳に見つめられて朱に染まっておりふるふると首を横に振って。「 長い間、1人でしたので。誰かの体温が心地よくて。……すみません、こんな。 」と濡れた睫毛をそっと伏せては困ったように眉を下げて。それに何よりも、物語の中から出てきたようなこの美貌に見つめられてしまってはどんな少女だってドキドキと胸が高鳴ってしまうものなのだ。先程から鳴り止まない豊満な胸をきゅ、と抑えるように手を置いてはぺこりと小さく頭を下げて。 )
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