薔薇の乙女 2023-03-09 22:09:21 |
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お優しいなんて、そんな事ないですよ
(本当にその通りだった。今の自分は彼女の血を、身体を狙っている。そんな自分が優しいなんてお門違いだ。相手の体の一部に触れてしまった時に、自分の体に電撃が走ったようなピリッとした感覚に一瞬マリアの体から手を離して。自分でも初めての感覚に戸惑いを隠せなくなってしまう。今夜は全てが初めてのことが多くて、どうしたんだ…と胸に手を当て。マリアの瞳から涙がまたハラハラと落ちていくのを見て、まだ痛いのかと勘ぐって「痛いのであれば医療機関を利用した方がよろしいかと思いますが…」と提案をして。不手際なんて、薔薇なんて棘のある植物に素肌のまま触れていたら誰だって怪我をしてしまうだろうに。傷口が綺麗になって少し安堵して、相手の顔を見ると罪悪感を覚えてしまった。マリアは本当に何も知らない無垢な少女だ、だからこそこんな汚い自分が触れていいものじゃないと、考えれば考えるほど心臓が痛くなると同時に、こんな純白という名前が似合う彼女を汚してしまう、という感覚にゾクゾクしてしまう自分もいる)
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