薔薇の乙女 2023-03-09 22:09:21 |
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成程、そういえば今日は満月でしたね
(マリアに合わせて自分も足を止める。元々は母親の物という言葉に反応して、おそらく母親は最悪の形を迎えているのだろう…もしかしたら父親も、なんて勝手に考えてしまう。可憐に咲き誇っている薔薇達はいつも自分がよく見ている血の色によく似ている。でも薔薇は普通このような甘く人を誘惑するような香りをしていただろうか、と考え込む。花にはあまり興味がある方では無いが、普通のそこらの植物と同じような匂いしかしない物だと思っていた。マリアのあげる、悲鳴にも似た小さい言葉にも欲情してしまう自分を殴ってしまいたい。「大丈夫ですか?」と声をかけるが、血液を見てしまったら理性が崩れ去ってしまうそんな音がした。薔薇よりも重く甘い匂い、とめどなく流れる血液の色さえどんな物よりも綺麗なものに見えて、生唾を1度飲んだあと動けずにただ、マリアの手を見るしかできなかった)
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