薔薇の乙女 2023-03-09 22:09:21 |
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まあ。そうでしたか…。
こちらこそ、大声を出してしまって申し訳ありません。
( こちらへ甘いマスクをにこやかに向ける彼にほわ、と一瞬見とれてしまったもののすぐに彼がこの薔薇園に居る理由を聞いてはハッと我に返り、ベンチからふわりと立ち上がればネグリジェの両裾を指先で摘まんで行儀よくお辞儀をして。お辞儀をした際に細肩から垂れた髪をまた小粒な耳にかけなおしては、やはり胸元が無防備に空き生地も薄いネグリジェでこんな色男の前に立つのは羞恥心が煽られるようで。少しでも彼に晒す箇所を隠すように、だが優雅さを書かないように鳩尾あたりできゅ、と両手を握っては「 マリアと申します。私でよければご案内しますね。 」とまだ頬は薄紅色に染まっているもののこの世の穢れの一端も知らなそうな、花のほころぶようなほほ笑みをふわりと浮かべて。勿論その表情からは彼の嘘に気付いている様子も怪しんでいる様子もなく、ただただ迷い人だという彼を手助けしたいという善意のみで。 )
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