匿名さん 2023-03-08 21:19:11 |
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(明くる朝、まだ気温も低い時間帯、夜遅くまで起きていたにも関わらず浅い眠りからすっと目を覚まし身支度を整える。自室から聖堂へ、澄んだ空気の中進む廊下はまだ人間も動物たちも眠っているようでしんと静まり返っており、真面目な神父はその目を盗むようにふわりと小さく欠伸を洩らす、日課となった毎日の習慣、聖堂の重い扉を開ければ大きな窓から日光が冷たい空気の中矢のように射し込んでいて。神が最も嘆くという罪、つまりその愛と万能性への懐疑心を抱いた今でさえ、ひとり跪いて祈りを捧げるその仕草は機械仕掛けの人形ように正確無比、神が見放し堕落しきったこの世界ではこの行為だけが、自身に巣食う暗い衝動の熱を冷ましてくれるように思える、さてどれだけの時間、そうして頭を垂れていただろう
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