匿名さん 2023-03-08 21:19:11 |
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生来があまり考え込まない質なので、困惑はしますね。俺にとって先生の瞳は、鏡のようなものなんでしょう。
( 宝石のように艶やかな瞳を前に、何かが過ったように見えたとて、それはそこに反射した己の姿にすぎない。己の言葉に小波立った貴方を前にしたものの、そんな心に寄り添うような器用さなどは一切持ち合わせていない己は、迷うまでもなく正直な言葉を紡ぐまでだった。淹れたての香草茶の出来を確かめるがごとく、無作法にもその場に立ったまま少しばかりマグカップを傾ける。常と変わらぬ出来に一つ頷くと、残りは自室まで携えていくことにしようか。こちらが寝かしつけようとしていた貴方の方から就寝を促されてしまえば、自分でもそろそろ眠りに就こうかと考えてはいたが、少しばかりの懸念に寸の間思考する。曰く、睡眠導入剤として優秀らしい香草茶を相棒にここで仕事をこなして、貴方はきちんと寝室まで辿り着けるだろうか、と。そう簡単に懸念は消えないものの、そこまで世話を焼くのはさすがに礼を欠いたように思える。首を振って心配をも振り払うと、柔らかく笑みながら貴方の前を辞することにしようか。身体を清潔に保てるような準備は一日の最後の仕事だ )
水を張った盥はいつも通り寝室の方に用意しておきます。それじゃあ、おやすみなさい、レイ。
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