匿名さん 2023-03-08 21:19:11 |
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喜んで。
(手を組んで頭を垂れる、彼が同じように真似をしているか確認するようにそちらをちらりと盗み見ると少し口角を上げてまた瞼を閉じ。澱みなく口から零れるのはややもすれば呪文と聞き紛いそうな祈りの言葉、教えて欲しいとの頼みに応じてかいつもより随分ゆっくりとした調子で流れる決まり文句達。それらが終わると顔を上げ、まるで悪事に誘うかのような表情で尋ねる、「これを覚えられたら次は異国の書物の読み方でも教えて差し上げましょうか、」異教徒の言葉は穢れだという宗教的見方が根付く我らが宗派ではあるが、自国の優位性の再証明やら多民族の啓蒙やら耳障りの良い言葉達の上に、異文化研究が好奇の目を持って受け入れられ始めているのも事実、それらの知識故に助命を許された自分のように、彼も何かしら役に立てられるだろうと
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