花詠み 2023-02-26 13:52:45 ID:f4a4a17f9 |
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>41 カーメル様
匂いに誘われるがまま軽い足取りで進めば、耳が小さな悲鳴のようなものを捉える。
大方、この街に慣れていないヒトが紛れ込んでしまったのだろう。
いつもなら特に気にするでもなく関わらないのだが、今日は気が向いたらしい。
心の望むまま悲鳴の元へ向かうことにした。
「ふーん…俺たちとは違うヒトだろうとは思ってたけど、何か君、それよりもっと……まぁ、いいや。こんな時間に、こんなところで可愛らしいお譲さんが1人で歩いてたら危ないぜ?」
悲鳴の主に声をかけたはいいが、街のヒトどころか、もっと多くのヒトと異なる不思議な印象を覚える。
気にはなるが今聞くことではないだろうと、開きかけた好奇心の扉を閉じる。
問題は、その不思議さがこの街の碌でもないヒトを引き寄せてしまうことだ。
俺みたいな変な奴に捕まっちゃうから早く帰りなよ、と声をかけるが何やら様子がおかしい。
悲鳴をあげていたということは、何処か怪我でもしているのか。
「君、もしかして怪我してる?もし、嫌じゃなければ手当してくれるところまで案内するけど…」
エスコートしましょうかなんて軽い調子で問いかける。
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