匿名さん 2023-02-22 09:00:47 |
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【 西園寺 桜華 】
素敵、……。
( きらきらと美しく光るビーズ細工のブレスレットは、クラスメイトの女の子が年上の彼氏に買ってもらったというダイヤのネックレスよりも何だか輝いて見える。ピンクとブルーの其れを此方に見せながら可愛らしくお強請りしてくれる彼女にきゅん、と胸を高鳴らせながら「 私も、琥珀とお揃いがいいわ。 」 と今すぐに彼女に抱きついてしまいたい気持ちを抑えてふにゃりと微笑み。まるでお互いを淡く縛り付ける繋ぐ鎖のような其れは、桜華の胸の奥の浅はかな嫉妬心を緩やかに噛み殺していくようでさっきまでの黒い気持ちはあっという間にどこかに行ってしまい。 )
【 西園寺 奏 】
、──── ……。
( 彼の言う見せたい場所というのに全く心当たりがないのか、はて何だろうと着いて言ったのも束の間。少し高台にある人気のないその場所からは、まるで灯篭のようにぽつぽつと輝く温泉街の明かりが一望できる場所で思わず奏もその美しさに言葉をなくして。高台が暗いせいか夜空に輝く星々も同時に見ることの出来るその場所は、都会の喧騒とは程遠いゆったりとした時間が流れている。ヘーゼルの瞳に揺れる街灯の光をきらきらと映しながら「 こんな場所があったなんて、……すごく綺麗だ、 」と自然と緩んでしまう頬と自分が思っているよりもずっと柔らかく聞こえの良い声が溢れれば、連れてきてくれてありがとうと隣にいる彼に微笑みかけて。 )
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