匿名さん 2023-02-22 09:00:47 |
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【 西園寺 桜華 】
ありがとう、琥珀。
…でも、ぎゅって、…して。
( お茶と茶菓子を勧められて、少しずつ落ち着いてきた頭でそれをぽや、と見つめる。だが何かを喉に通す気になれなくて、ただでさえ白い頬は血の気がまだなく青白さを保ったままで。少しの沈黙の間、ぽそりとつぶやくような声で零れたのは小さなわがまま。お茶の香りよりも彼女の匂いに包まれたくて、それからなによりも男に掴まれた感触を一刻も早く消したくて。彼女の為にここまで可愛くしたのに、こんなことならばオシャレなんてしなければよかった。と心の中では小さな後悔が渦巻く。ツンと鼻の奥が痛くなる感覚があるも泣くのはまだ、彼女が見ている前ではきっともっと心配をかけてしまう。「 …ぜんぶ、琥珀で上書きしてほしいの。 」ぽろりと出た言葉は紛れもない本心。脳内にある男たちの下品な声も、匂いも、感覚も。全部彼女で塗り替えたい。彼女も怖い思いをしたのに自分だけこうしてわがままを言うなんて不公平かもしれないが、今の桜華にはそんな気すらもつかえずに。 )
【 西園寺 奏 】
そうだねぇ、…とりあえず俺たちは交番に行こうか。
実はナンパって犯罪になりえる行為でね、`軽犯罪法違反`だとか`迷惑防止条例違反`だとか…桜華の場合は腕をつかまれたから暴行罪も適応されるかな。二人の遊ぶお金くらいにはなるんじゃない?
( にこ、と変わらずに穏やかにほほ笑めば彼の口から出たのはまさかの場所で。唇に手を当てつつサラサラと出る単語は職業病だろうか、それとも`よくあること`なので単純に慣れているのか。彼の表情からその真意は読めないが、物騒な発言とは裏腹にふわりと妹と同じように花が綻ぶように笑えば(最も目は全く笑ってはいないのだが)、「 ま、示談にするか放っておくかは妹に任せるけど。とりあえずさっき動画も撮ってたし証拠は十分、そういう手続きしてたらそのうち夕食の時間になるかなって。…あ、それとも何かしたいことあるかい?お腹がすいてたら何か小腹に入れてからにしようか。 」と彼の肩をぽん、と叩いてお兄さんが奢ってあげると大人っぽく口角をあげ、彼のブルーブラックを覗き込むようにして微笑んで。 )
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