匿名さん 2023-02-22 09:00:47 |
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【 西園寺 桜華 】
( 声ひとつ出せないように固まってしまった状態で彼女にただ抱きしめられながら先程男に掴まれた手を自身で掴み、彼女に助けを求めるように抱きつく余裕もなく桜華はただカタカタと小さく震えてしまうばかりで。今にも泣き出しそうなのを堪えながらぎゅ、と目を瞑れば、何やら鈍い音と同時に聞きなれた兄の声と彼女の兄の声がして。 )
【 西園寺 奏 】
驚いた。まさか本当に防犯ブザーが役に立つなんてね。
……琥珀ちゃん、守ってくれてありがとうね。さすがナイト様だ。
( その場にはそぐわない、やんわりとした口調と薄い唇にうかべた笑み。彼と走ってきたのであろうが息切れひとつせず、ただその瞳にだけは冷たい色が光っており。いつの間にか彼の足元に転がった二人の男のうちギリ、と顔色ひとつ変えずに1人の手の甲を踏みつければ「 さて。俺はテコンドーの使い手だし、彼は空手の全国選手だ。ちなみに向こうの彼女もね。俺としてはやめた方がいいと思うけど。痛いのはいやだろ? 」とその声は終始いつもと変わらず穏やかで、声だけならば男の手を踏みつけつつ喋っているとは思えないほどで。牽制は彼や琥珀ちゃんが既にしてくれている。ならば自分のすべき事は怯んだ彼らに逃げる隙を与える事、それに気づいて逃げるかどうかは男たちに任せる。……ただ、段持ちである彼らには過剰防衛とならないように手加減をしてもらはなければならないというのが1番難しいかもしれないが。 )
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