主 2023-02-11 00:33:03 |
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(俯き加減に問い掛けられれば、格好悪い姿を見られてしまった当て付けに如く口角を上げ「勿論理解出来たぜ。心配ありがとよ。」と相手の顔を僅かに覗き込む。
少年の後を追い風呂場へ行けば少年がそそくさと着物を脱いでおり、慣れない様子で髪を洗う様に痺れを切らしては髪を洗ってやる事にして。
お湯を掛ける際にびくりと身体を震わせる物の、湯船に恐る恐る入れば心地よさに目を細めており。
目紛しい一日だった。疲れがどっと押し寄せて来ては瞼が重くなる。
いつもより早めに湯から上がればせっせと着替える少年の髪を拭き相手のいる部屋へと戻って。
有難う。助かった。
(短い礼を言い相手の膝でうとうととする猫をじっと見詰める。少年が相手をじっと見詰め、『明日、菖蒲様のお家教えるね。孤児荘の皆とお勉強教わりに来るから帰りにでも。』と微笑みながら言う。
相手に入っている依頼は想像するに別件。
口を挟むのも忍び無く、縁側に腰を下ろし煙管を燻らせては無言を貫いたままで。
数時間後、かなり遅い時間になり着物は後日返しに来る事を伝えては玄関先にて一度相手に振り返る。
月明かりに照らされる相手の顔、随分と前から見慣れている様な感覚さえ感じ無意識に相手の髪にそっと触れるもぱっと手を引っ込めては「悪い。」と無愛想に返して少年と共に寺子屋を後にして。
(翌日。早朝に寺子屋へと訪れた兄は『今日もお手伝いに来たよー!』と言いつつも、縁側で伸びている猫を見詰めては僅かに目を細める。
兄に“御婦人の猫を盗人から取り返し、御婦人へと届ける事。”という依頼が入ったのは丁度夜明け頃の時刻。
容姿や振る舞いにからは想像できない程几帳面な性格の兄、一から調べを付けては相手に入った依頼、昨夜何が起きたかまで把握していて。
『この猫は、菊が飼う事になったのかな?』
(掴めない笑顔のまま、やけに遠回しな質問をしては猫の首元を撫でる。
依頼に関しての調査時、相手が絡んでいる事を知った時点で兄は最早依頼の事などどうでも良く。
『もしかして引き取り手に困ってる?其れとも“飼い主に元に帰す”か“新しい引き取り手に渡す”か悩んでる?』
(表情は変わらないままどんどんと詰め寄る。相手の答えを待っていた其の刹那。
『おはようございまーす!!!』
『先生ーーーーー!!!どこーーー?』
(子供達の声が響き渡り外へと目をやる。
この話は一旦お終いだな、と判断しては『まぁ。俺はいつだって相談に乗れるし手も貸せるからね。…あーでも爛には隠れてお話ししよう。あいつすーぐ怒るからさ。』と戯ける様な仕草をし相手の方をぽんぽんと叩き。
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