主 2023-02-11 00:33:03 |
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「悪い、巻き込む形になった。…それにしても本当に猫になってたんだな。」
( 追っ手を上手く追い返してくれた相手。
其の姿は既に見慣れたいつもの姿。未だにさっきまでの猫が相手だったことが信じられないが目の前で起きたことだ。己も能力者であるためある程度受け入れられて。
「小太郎くんも助けを呼びに来てくれてありがとう。…と、濡れてるし其の儘だと風邪引くだろ。着物は少し小さいかも知れないが俺のがあるし、湯浴みしてくと良い。」
( 少年の頭をぽんと軽く撫でた後、先程人間に戻るために池に落ちて濡れてしまっている相手を見やる。
銀毛が水を含んで重くなり肌に張り付く様が艶っぽいが普段よりも幼くも見える。
早まる鼓動を気にしないようにして懐から手ぬぐいを取り出すと白い頬や首筋を拭いてやり。
『ミケさんはどうするの?』
「…此の三毛猫は今夜は此処で預かってまたどうするか考え直すことにするよ。小太郎くんもお風呂入るか?』
『僕、濡れるの嫌いだからな。…爛、一緒に入ってくれる?』
( 相手から手を引き相手と少年が湯浴みする前提でそそくさと着替えやらを準備しながら話を進め「…小太郎くんも体が冷えてるだろうし一緒に入ってやったらどうだ?子供用の着替えもあるし。」と用意した着替えを押し付け風呂場があるほうを指差す。
少年は既に風呂に入る気満々でトタトタと其方に掛けていき『爛、早くね!』と元気になっていて。
其の姿に癒やされて小さく微笑みつつ横目に相手を見て「…ところでその、猫になっていた時は人間の言葉は理解出来てたのか?」と小声で問いかける。
少年から相手の窮地を聞いた時、焦燥と共に相手の名前を口走ってしまったこと。
今更思い出せば妙に気恥ずかしく相手は気付いていたのか気になり問いかけて。)
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