主 2023-02-11 00:33:03 |
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( 大名の宴を共にした見知らぬ男、初対面の裏と繋がりのある男と共に帰る理由など無かったが待っていたのは何処となく雰囲気が相手と似ていたから。
我ながらどうかしていると思っていれば次に現れたのはいつもの姿をした相手。
細い棘が引っ掛かったような違和感はあったが、兄の演技に気付かずに相手だと思い、尚且つ偶然遭ったことに少し浮かれ。
「今日は偶然が多いな。それにしても男を送らせるなんてあの大名もおかしなことをさせる。……それで、文は届いたか?お節介だとは思ったんだが先祖の話も少し気になって。あの画集が御前の兄の先祖が描いたものなら能力のことも簪も…今と繋がりがある。もしかしたら外国にいると言っていた御前の兄にも先祖の記憶があったりするのかもな。」
『…先祖の記憶はあるんだな。』
「…俺たちにか?前からその話はしているだろ。いや、悪い。それよりも文にも書いたが御前が少し落ち込んでるように見えたから。過去を詮索するつもりもないが、御前の様子が変だと子どもたちが心配するだろ。」
( 何が言いたいのか己でも良く分からず一人やきもきしながら夜道を進む。
今宵は少し風が強く木の葉が舞って風が冷たい。
相手が寺子屋へ向かっているとは知らずに、寺子屋近辺に来たところで足を止めて「御前も子どもと言えば子どもだ。こんな事を言える間柄でもないかもしれないが、歳上を頼ることを覚えろよ。…と、ちょっと止まってて、」と少し曲がった言い方をした時、相手(兄)の髪に枯れ葉が付いていることに気がつく。
ひょいと片手で払おうとするも上手い具合に絡んでしまったのか一回では取れずに、少し身体を近づけたことで息が掛かる距離になり「…そう言えば今日は煙管を吸ってないのか?あまり匂いがしないから、」そんなことを言いながら絡んだ枯れ葉を取ると「取れた。」と距離感は其の儘で取れた枯れ葉を見せて少し笑んで。)
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