主 2023-02-11 00:33:03 |
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…?ああ、悪かった。妙に眠くてうっかりしてたよ。御前もその様子だと無事みたいだな。昨日御前が上手く演じてくれたおかげであの後円滑に事を運べたよ。
( 結局丘で会う約束は思い出せず夜になって昼間たっぷり寝たはずなのに眠気が来て朝まで寝ていて。
朝の訪問者に髪も下ろしたままで手櫛で軽く整える程度で出てみれば相手の姿。
何かピンと来た気もするもなにやら不機嫌そうな様子に首を傾け、確かに事後報告は必要だったかと言葉をそのまま受け取り欠伸混じりに答える。
折角此処まで来たんだ。大したものは出せないが朝飯だけでも食べていくか?
( ふと口を付いて出た言葉。口にしてから何を言っているのかと思い直し「…ってそんな間柄でもなかったな。今回動いたのもお互い子どもたちの為だろ。利害が一致しただけ…だよな。」と己自身言い聞かすように、忘れてくれと片手をひらつかせ。
「でも駆けつけてきてくれるなんて案外優しいんだな。」
( 揶揄い混じりに笑み、改めて相手を見れば知ってはいたが背が高い。
こうして敵意なしに対峙してみると余計にそれを感じ、またほぼ無意識に手を伸ばし柔らかな銀髪に触れていて。
「__爛、」
( 息を吐く共に零れる程の声量、銀色の髪を大事に大事に指先で掬ったところで、はっとなり手を引っ込めて「悪い、寝起きだから寝ぼけてるのかも。」と苦し紛れに肩を竦ませて。
( 一方その頃、裏の界隈ではある噂が広まる。
“ 勿が狼男の正体を売っている。化物を飼いならそうとしている。”と。
その噂を流したのは大名の従者。昨夜の己たちの演技に気がついた訳ではないが、此の二人が組めば今後が面倒だと危惧した様子。先手を売って仲違いさせようと目論んでいて。)
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