主 2023-02-11 00:33:03 |
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…分かった。言い値で構わないなら受ける。あと急な呼び出しには応じられないのは承知してほしい。
( 大名の考え全てを把握しきれた訳ではないが気に入られたのなら都合が良い。正直頼まれた依頼も気分の良いものではないが大名の頼みを断れば面倒なことになるため条件付きで了承する。
『金はいくらでも構わないが、時間の融通は何とかしてほしいものだ。…まあ良い、仕方ないが早く狼男の捕獲を頼んだぞ。』
( にやついた笑みを浮かべ酒を飲む姿に嫌悪感を顕にしないよう無表情を貫いては、奪い取られて畳に落ちた布を拾い上げて口元を隠し直して立ち上がり一応頭だけは下げてその場を後にして。
屋敷を出れば底冷えする寒さに身を震わせる。面倒ごとは嫌いだが金にはなる。然し“狼男”とはどんな男だろうか。肖像画を思い出し胸奥がざわつくも、情報を得るなら管理主の元へいき聞き出すか口を割らないなら記憶を読むのが手っ取り早いかと。事は早いほうがいいと早速管理主の所在である花街方面へ向かい。
そう言えば相手も今頃令嬢のお相手をしている頃かと胸奥の蟠りは無視して他人事のように考えて。
( 一方令嬢は相手の特別の言葉にうっとりの頬を染める。
相手の企てのことなど頭になく抱きしめられたままそっと着物の合わせ部分を少しだけはだけさせて。
『…この傷はどうしたの?やっぱり護衛の仕事が多いと大変なのかしら。』
傷の一部が見えれば令嬢は驚いた顔をして指先で触れる。少し怯えた顔はするも相手のことを気に入っているため離れはせずに『貴方は一夜限りなんて言わずに呼んだらこれからも来て頂戴ね。』と首元に艶めかしく片手を引っ掛けて顔を近づけて。)
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