主 2023-02-11 00:33:03 |
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( 青年が相手にした提案や相手が華が己の実妹だと知ったことは知らずに孤児荘へ向かう道中、まさに今会おうとしていた人物が街方向へ続く道を歩いて行くのが見えて。
少し距離があったが走っていくと後ろから手首のあたりを掴む。
意外と細い、なんて思いながら_
「待て、…ちょっとお前に話がある。」
( 有無を言わさずぐいっと手を引き道の端に寄ると手を開放し、勢いのまま話させば気持ちがまた揺らぎ兼ねないため口を開いて。
「燐とのことだが…彼奴とは何でもない。恋仲ではないし、フリだよ。演技だ。ご令嬢の猫と御婦人絡みの任務があっただろ。其のいざこざを片付けるために恋仲のフリが必要だった。…此の一件が片付くまで口止めされてたんだ。」
( 一気に話すとやっと言えたと肩の荷が一つおりたかの如くはぁと深い嘆息を零す。
「演技をするのに街中巻き込んで街の人はまだ俺と彼奴が恋仲だと信じ込んでるし溜まったもんじゃないよ。…お前にも色々と不快な思いをさせてただろ。誤解を解いて置きたかった。」
( もっとはっきりとした言い方があるはずなのだが昨夜の青年と相手のやりとりが脳裏を過りぼやけた物言いをし、探りをいれるように視線を向けて。
「ところで、昨日一緒にいた赤毛の子が言ってたのは本当か?…買ったとかどうのって。いや、こんなこと聞くようなものじゃないのはわかってるが、信じられなくて。」
( 声を潜めてやや相手の耳元に顔を近づけて問い掛けてはどうなんだと視線を向けて答えを待って。)
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