陶芸家 2023-02-03 13:43:56 |
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( 空室へと案内し終えると、部屋への感想は殆ど聞き流す形でゆるりと腕を組みつつ入口の木枠に身を預ける。初めて自分の部屋を手に入れた子どもか、新居にマーキングして回る猫か。部屋のあちこちに目を留めながらぐるりと一周する相手をそんな心持ちで眺めていると、彼女がふと手を伸ばしたのは一冊の雑誌。そんなもの読んでいる暇かと苦言を呈そうとしたところで聞き捨てならない言葉が飛び出せば、相も変わらず木枠に寄り掛かったまま部屋の入口からやや低い声で問い )
…何だ、疑っていたのか?
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