とくめい 2023-02-01 15:49:08 |
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【 真冬 】
「兄者!俺は───っ、……俺は源氏の重宝、膝丸だ。兎も角、我ら兄弟の主となる君達が無事で何よりだ。」
ふたりは兄弟なんだ。うん、似てる。………あのね、この本丸には上の姉さん達───審神者のお手伝いで来てるの。だから多分、わたし達は主になれない…と思う。
( 名を忘れられたショックで兄刀へ慌て視線を向けた薄緑色の彼がはっとした様に咳払いし、仕切り直しとばかりに声色静かに名乗る様子を微笑ましく見詰め。雰囲気や口調は正反対の様だが、瞳の色や口元から覗く八重歯等の共通点を見つけて一人満足気に頷く。然して耳慣れぬ単語と姉の動揺を見ても気付かない程鈍感ではない。降ろされて自由になった足で室内を歩き、床に落ちた資源を拾い上げながら口にするのは訂正の言葉。きっと何らかの異常が生じて自分達の霊力により顕現させてしまったのだろう。予想外の出来事にどう対応すべきか悩ましいものであるが、正式な審神者でもない自分達を"主"と呼ばせるわけにもいかない。現時点で二振りの立ち位置は酷くあやふやだ。考え込む様に双眸を細める薄緑色の彼を横目に棚へ資源を戻し、ふと思い出した様に姉の隣へ並んでは本丸内での仮名を名乗り )
あ、そうだ。…わたしは真冬。こっちは双子の姉で、
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