語り手(スレ主) 2023-01-19 18:17:24 |
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【闇ノ国_テネリタス〈住宅街〉[シグキン、バチキン]】
>セル|住宅街ALL
シグキンはふと考えた。
_自分達がここに突然呼び出された理由と、国で起きている問題。もしかしたら、結びつくのではないか_と。
だから武器も一緒に置いてあるし、合わせて考えるとどうも合点がいき納得できてしまう気がするからだ。
とはいえ面倒くさがりでぶっきらぼうなシグキンからしたらたまったもんじゃなく、また苦労に巻き込まれることになる。それは少し勘弁してほしいとはいえ、もし本当だったら嫌でも向き合わなくてはいけないな、と思いつつも_気晴らしに、バチキンに自分の考えをなんとなく述べてみることにした。
シグキン「…なあバチキン。もし俺達があの「喧嘩」を止めるために呼ばれたんだとしたらどーするよ」
バチキン「えぇ!?急になんだバチ…まあ、お願いされたらどーにかして止めるしかないバチ…っていうか、私達がそれで呼ばれたとはまだ決まったわけじゃないし、気にしすぎない方がいいと思うバチよ~。」
シグキン「…まあ、それはそうだがそうじゃねえ…理由としてはありそうだと思っただけだ。」
突然聞かれてバチキンは驚くが、シグキンの話を聞きうーんと唸った後、お願いされたらどうにかして止めるしかないんじゃないか、と言われる。
まあそりゃそーだわな、とシグキンは納得する。バチキンは相変わらず楽観的で、にこにこ笑顔になりながらも「気にしすぎないほうがいい」と優しく説得され、一部当たっているがそうではない、とやんわり否定する。
気にしすぎているわけじゃない、と完全に否定はできないが、気になりつつはある。
とはいえ呼び出された理由の一つに国同士の争い事は含まれていると感じ、ただそう思っただけだ、と呟くように言葉にする。
そしてまた歩いていく__情報を集める為。
_だが、シグキンもバチキンもこの先に起きるトラブルを、二人はまだ知らなかった。
スライムの住民「きゃーーー!!誰かーーー!!」
シグキン「…!?」
突然、住宅街中に響き渡る悲鳴。もしや、なにかあったのかと思ったシグキンは急いで悲鳴のあった方向へ駆けつける。バチキンも同じく悲鳴に気づいたようで、二人の沼は足速に駆けていく__
そこで見た光景は、悲惨そのものだった。
コブリン(子供)の住民「わーん!!!おかあさーん!!!」
コブリン(母親)の住民「やめてください!この子から離れて!」
過激なルメンクスの騎士「うるせぇ!魔物を全部倒せば、俺達『ルメンクス』の国は平和になるんだ!お前ら、こいつの命が惜しけりゃ手を上げろ!」
シグキン「あ?なんだなんだ!?」
バチキン「もしかして、あいつがルメンクスに住んでる人間バチか!?」
運がいいのか悪いのか、どちらかといえば不幸に近いのだが、ルメンクスの人間というものが姿を現す__が、その者がとった行動は非道なもので、子供の魔物を人質にして何かしようとしている様子だった、
シグキン達のこともバッチリみられていたようで、暫くすると人間は声を荒げる。
過激なルメンクスの騎士「おい!!そこの白い怪物どもも手を上げろ!!こいつの命が惜しくないのか!」
コブリンの子供「うわーーん!!!」
バチキン「思いっきり見られてたバチーーーー!?」
シグキン「…おい、あんたが…えーっと…隣国に住んでる人間か?魔物が襲ってくるからってこれはやりすぎだろ。」
過激なルメンクスの騎士「ふん!誰だか知らねえが、元はこいつらが撒いた種だ!非道な事をしたって許される!因果応報なんだ!邪魔するってんならお前らの命もねえぞ!」
シグキンは物や人の名前を覚えるのはあまり得意ではない為か、国の名前がパッと出て来ず、(さっき戦士が口走ってたのに)お前が隣国の人間か、と軽く聞いた後人質を作るのは流石にやりすぎだ、と注意するが…相手は魔物の言葉なんぞ聞き入れるつもりはないと言わんばかりに無視して反論する。
非道な事をしたって許される、邪魔するなら命はない__そんな脅し文句が、彼らに通用するわけもなく__むしろ今まで退屈していたようで、待ってましたと言わんばかりにバチキンはニヤリと口角をあげながら腕に装着しているガトリングを構え、シグキンは騎士とバチキンの様子に少々呆れた顔をしつつも鎌を持って戦闘態勢になり、騎士の前に立ち塞がる。
シグキン「…やれやれ、話し合いで解決する気はないらしいな…じゃあ、邪魔させてもらうせ!」
と、堂々と大声で言い放ち戦闘が始まる。
バチキン「シグキン!私はあの人間を狙うバチ!シグキンは子供を!」
シグキン「ああ、任せろ!…あ!まてバチキン!その人間は殺すなよ!?」
バチキン「言われなくても生かしとくバチよ!私をなんだと思ってるバチ!」
この世界でも二人のコンビネーションは健在。むしろ長い間居続けて相棒同士のような関係である彼等にとって、戦いなど日常茶飯事。バチキンはガトリング装着した状態で走り出す__目標は人間。
シグキンに人間は殺すなよ、と焦った様子で釘を刺されるが、そこまでするつもりは元々ない為、自分をなんだと思っているんだ、とツッコミつつ向かう。
騎士はバチキンが襲いかかってくるのを見て焦りながら「くそ!もういい、このガキは俺が殺す!」
と叫び出すが、横を見ると人質に取っている子供はおらずもぬけの殻。その様子を直視して更に驚いた表情を見せる。
過激なルメンクスの騎士「な、なんだ!?おい!どこ行きやがった!」
シグキン「悪いが、子供は俺が預からせてもらった。」
コブリン(子供)の住民「にーちゃんかっけー!」
__そう、バチキンが作った隙を利用して既にシグキンが子供を避難させていたのだ。
コブリンはその様子に目を輝かせながら、「かっこいい!」とヒーローを見るような眼差しでシグキンを見つめており、それをみたシグキンは少し顔を緩ませながら「あー、ありがとな。」と軽くお礼を言う。
シグキンはバチキンに合図を送る。「ぶちかませ」と。その合図を受け取り、バチキンは右目をキラン、と赤ピンク色に輝かせながら叫び、まずは相手の動きを止める。
バチキン「くらうがいいバチ…《グラサンフラッシュ》!」
過激なルメンクスの騎士「ぐわぁあ!!眩しい!?」
至近距離でグラサンの発光を浴びせられた為当然騎士は目が眩んでしまい、行動不能になる。その隙にバチキンは銃を構え、正確に撃つ。剣の持ち手部分に当てると人間は反射的に剣を離す為、それで戦えない状態__いわゆる戦闘不能にすれば、生かしたまま逃すことができると仲間の一人である「氷虎」に教わったことがある。
とはいえ何でもかんでも倒してきたバチキンにとってはめんどくさいから使うことはないだろうと思っていたが、まさかここで役立つとは。あいつも気が効くバチ、と感じながら相手の剣の持ち手に向かってガトリングをその場に投げ捨てた後銃を変え、引き金を引く__
バチキン「《メタルバレッタ》!」
__見事必中。騎士は手と持ち手の近い位置に銃弾を当てられ、剣を反射的に離した後そのまま倒れてしまい、死んではいないようだが気絶(?)をしているような様子で、バチキンはそれを見て終わったのだと感じ、「よっしゃーー!」と声を上げる。
周りの住民達は彼らに拍手を送っているようで、コブリン(子供)は「ヒーローだ!あのにーちゃん達はテネリタスのヒーローなんだ!」と、大喜びしている様子。
バチキン「はーっはっはっはーー!最強戦士のバチキン様からすればこんなへなちょこちょちょいのパーバチ!!」
シグキン「おい!俺の協力もあったから倒せたんだろ!勝手に自分一人だけはやめろよ!」
コブリン(母親)の住民「ありがとうございます!うちの息子を助けていただいて…!」
と、拍手喝采を受けた事で調子に乗っており__シグキンも拍手を受けられ、母親であろう大きなコブリンにお礼を言われ、少し嬉しそうだった__故に気付かなかったのだろう。
バチキンの背後に気絶のフリをしていた騎士が、小型ナイフを持ち、バチキンを刺そうとナイフを振り上げているが、バチキンはそれに気づいていない様子で__
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