～ある日ハイエナを拾いまして～　/　〆

あー…そうッス。この人オレの姉ちゃんッス！
(　ああ面倒くさい、こうなったら魔法を使って逃げてやろうと服のポケットに潜ませていたマジカルペンを取り出そうとしたその時。どこからともなく聞き慣れぬ声が鼓膜を揺らし、スーツ姿の女性が自分達の間に割って入ってきて。思わぬ助け船に驚きパチッと丸い目を瞬かせつつ、自分よりやや小さい背中を見つめ。もちろん己に姉はおらず、彼女も自分のことは知らないはず。ただここは話を合わせた方が良いだろうと判断し、訝しげに真偽を訊ねてくる警察にややぎこちないながらも一芝居打ち。返答を聞いた警察官は、やれやれといった様子で踵を返していき、完全にその姿が見えなくなると愛想笑いをやめ。ひとまず難を逃れられ気が抜けた反面、なぜ見知らぬ自分を助けてくれたのか分からずおずおずと隣を見遣り。　)
あの、助けてくれたのはありがたいんスけど、アンタ誰ッスか？