責任者V 2022-12-09 20:42:58 |
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>44 リンさん
( ガラス越しの青年は"リン"と名乗り、首元に提げたドッグタグのようなものをつまんで見せた。近視の癖で無意識に目を細め、指し示されたそれを見る。必死に思考を巡らせるが、リンという名の知り合いも、エルドラドという名の施設も記憶の中には存在しなかった。不安は拭えないどころか、質量を増してわたしの心に陰りをもたらす。そのまま沈黙したわたしをよそに、彼は何かを操作して……宙に浮かんだのはブルーのホログラム。呆気にとられるわたしに対して、彼は一つの問いを投げかけた。"これは尋問ではなく質問だから"……なんて物騒な補足を頭の中で反芻し、ギニーの3文字と眠る女の幻影を見る。……これはわたしの名前と、わたし自身の姿だ。自宅で眠りについた以前の記憶はごく鮮明で、やはりわからないのは今この状況のことだけだった。 )
わたしは……XX市の自宅で眠っていたはずです。エルドラド?に来た記憶はありません。そもそもここがどういう場所なのか……わかっていません
( 想像していたより、ずっとかたい声が喉を出た。語尾は震え、地に足がついていないような高い声。会話のすべてを彼が握っていて、わたしがこの場を制することは不可能だと、直感だか本能だかで確信めいて嫌になる。もしかすると、生かされているだけ幸運なのではないかとすら思えた。"どの程度自分のことを覚えているのか?"……その質問の意味と意図が、わからなくて怖かったから。果たしてあんな答えでよかったものか、不安に駆られたわたしは焦ったように言葉を付け加え )
ただいつものように眠りについたら、ここで目が覚めて……最初に見たものはあなたです。聞いた音も、あなたがたてる音以外は、何も……
(/とんでもないです…!外見の件、承知いたしました。
特に何もないようであればこちらご返事には及びません。改めまして、今後ともよろしくお願いいたします…!)
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