人魚くん 2022-12-05 23:13:05 |
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へえ、意外だなぁ。
皆マイクくらい取ればいいのに。
( 上にいる青い布...ああ、飼育員のことか!となれば、会話を試みるのは飼育員と子供くらいなんだろうと気づく。そこでまるで自分の事のように不満そうに唇を尖らせては率直すぎる感想を述べた。しかしくるりと宙返りする君を見てはまた視線はアクアリウムに釘付け。わぁお、と感嘆の声を漏らし、マイクを持っている腕を叩いて拍手をする。淡い紫のシャツは水に揺れ、何かを取りにでも行ったのか見せた背中、尾びれは想像よりも長く美しい。太陽に煌めく海のように角度によって色味の変わる鱗に見惚れながら、教えてもらえた名前に嬉しそうに頬を綻ばせて繰り返した。「 アルバン...そっか。アルね...。えっ、歌も歌えるの?すっごいなアルは! 」夢中で一歩下がった足を、また一歩君に近付かせる。「 ね、俺ジョシュアって言うんだ。もう少し君のこと...アルをここで見ててもいい? 」何か披露してくれるのだろうか。してもしなくてもいい、ただ、彼のそばに居たいと思った。君の様子を今日はじっくり見ると心に決めて。
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