名無しさん 2022-12-02 18:14:09 |
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( そんなの決まってるよ。嫉妬でおかしくなったお前をたっぷり可愛がってあげる。そうしてその嫉妬は余すことなく隅々まで俺が貰うから…ほら、万事解決じゃない?緩やかに上がる口角とぷっくりと膨らむ涙袋が視界を占領すると、次にその口から発せられる音はもう決まっているようなもので無意識の内に耳を澄ませてしまう。鼻に掛かった低い声が優しく自分の名前を呼ぶから、なんだか照れ臭くて擽ったくて。呼ばれた名前は脳内に甘く反芻するけど、同時にずっしりと重く胸を縛り付けるみたいだ。それが堪らなく嬉しいなんて昔の自分からすればやっぱりどうかしてるけど。…アンデ、この子が好きだ。お前に呼ばれたそれは思っていたよりしっくりきて、予測では似合わないと意地悪を言うつもりが思わずはにかんでしまった。遂に“ ヒョン ”まで手放してしまったらただの恋人同士なのに。それでも皆の前ではこれから先もお前のヒョンで、交わした口付けも触れ合った熱だって秘密だから。宇宙でいちばんだって言うならこの秘密が苦痛だけじゃなくてちゃんと甘い蜜になるように、ちゃんと調整してお前の口に運んであげる。「 やぁ…、生意気。 」言葉とは裏腹に嬉しそうに緩んだ口角を隠し切れずにいると律儀に膝の上に置いていた手が頬を包むけど、最初から咎めようなんて思ってない。切れ長で犬科のようなつぶらな瞳を愛おしそうに見つめ返しながら二回目に呼ばれたそれは愛の言葉とはあべこべに少し舌っ足らずだし、あんまりあどけなく笑うから、まるで。…えぎじゃな。「 んへ …うん、これからいっぱい聞かせて? 」緩い笑みでそう返した途端なだれ込んできた大きな身体を受け止めてベッドの上で縺れ合えば、そのまま腰を抱いたついでに長い両足へ脚を巻きつけホールドする。少し強引に落とされた首筋への口付けにぴく、と肩を竦めつつも小さく漏れた声と共に心地良さそうに目を細めて。例えば愛してる、とか。浮かんでくる言葉なら沢山あるんだけど自然と声に乗ったのは。「 モンガ…赤ちゃんみたいだね、おまえ。」ふくふくと悪戯に笑いながら首に埋められた頭を撫でる手付きは子供にするように優しく。ふと彼の丸っこい耳に口元を寄せて「 …おれのかわいいみんぐ、 」綿菓子のように甘く囁き子供をあやすように撫でる手は止めないにも関わらず密着した胸からはとく、とく、とリズム良く跳ねる脈拍が筒抜け。脳内は彼でいっぱいな上に最早 好き と 可愛い で詰め尽くされてしまって、恋をするとこんなにもIQが下がるものなの?だってもう黙っておくには愛おしさが破裂しそうで、薄く開いた唇から想いが溢れ出すのをただ彼の耳元で垂れ流すことしか出来そうにない。「 ─…好き、好き。みんぎゅや…すき、だいすきだよ。 」とびきり甘い囁きを鼓膜へ注ぎ込むようにとめどない愛を。心に留めていたものをそのまま口にしてしまえば最後、駆け引きでも何でもない本音が胸から溢れて喉元にどっと押し寄せる。「 はあ、オットケ~…俺お前が可愛くて仕方ないや。んん~… 」出来ればある程度は理性的にコミュニケーションがしたい。自分の心に収集が付かなくなる発言も避けたくて言葉を喉の奥に押し込むように悩ましげに唸ってみるものの、不本意ながらあまり余裕がなくなってきた。今にも本心が唇の隙間から漏れ出してしまいそうになり腰に回した腕に力を込めて強く抱きしめ、先程跡をつけた方の耳に鼻先を埋めて気を紛らわせるようにすりすりと。 )
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