名無しさん 2022-12-02 18:14:09 |
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( 昨日とは180度変わってしまった彼との関係性。目に映る景色は普段と何一つ変わらないからこそ、昨日までの自分がどのような立ち振る舞いをしていたかが全く思い出せない。遠くから聞こえた物音、やがてドアが閉まるような音が聞こえれば意味もなく背筋を伸ばして息を整える。意識せず普段通りを装えば装うほどぎこちなくなるような気がして、最早今の振る舞いが正しいのか正しくないのかすら判断がつかない。今はこの関係を二人だけの秘密として気を張っているけれど、ずっとずっと俺が想ってた彼の想い人が、まさかの俺で、それでいて通じ合えたという事実が…思えば思うほど嬉しくて堪らず、今すぐ叫びながらリビングを5周くらいし、そのまま宿舎を裸足で飛び出していけるくらいには感情が昂っているのだから、それを実行せずに口元を少しニヤケさせる程度に収められているのを褒めてほしい。小さな箱から初めての大きな舞台で紙吹雪を浴びて、息を呑む程の感動を味わったあの時よりも下手したら幸せだ。あに、絶対そうだろ。昨日までは彼との接触すら避けていたのに、今は不意なスキンシップに危惧することもない。ただ髪に触れられるだけで多幸感は膨らんで。あ~おっとっけぇ…俺のむのむ幸せだ...。思わず目で追う、布巾を取って手と一緒に濡らす動作も、ぺたぺたと向かったテーブルを言う通りに拭いてくれる様子も。ため息が出るくらい幸せで、ヒョンが可愛くて可愛くて仕方がない。一生続いていいよ、ハニヒョンとの時間。そう願うのに、俺ビジョンでゆっくりと映り流れていた時間は、ふと現れたメンバーの顔に急遽現実に引き戻される訳だけど。たんぽぽの綿毛みたいな髪を歩く度に揺らして、半分ほどしか目の開いてないその子が隣に来ては近くのコップを取ってとの声に。...“これ?” 違う “これは?” 違うって “これ、” 違うってばいつも俺が使ってん…ハァーチンチャもういい、とか謎に怒られるから...俺の方が本当にだよ!としょうもないやり取りに突っかかりそうになるが。キレ症と疑うこの子は平気でタメ口を使ってくるからいい気はしない。歳は同じだからってお前と俺とじゃ学年は違うだろ。言いかけた言葉を我慢して呑み込めばため息混じりに。二つの皿を乗せたトレイに新たにインスタントのスープを二つと飲み物を追加するとキッチンを後に。癒しを乞うようにテーブルへ向かうと、陽だまりに包まれた彼はやっぱり似合うと確信する。どうしてこうも見慣れたものなのに、恋ってものは何度君を新鮮にしたら気が済むんだろう。一瞬どこに座ろうか悩んで、とりあえず彼の前へと置いた皿。「 ヒョンっ待たせてごめんね。焦げは取ったけど、もし不味かったら食べないで。美味しく作ったつもりだけど、」 彼を上から見下ろしている間に、指定されている席に気づくと堪え性なく頬は緩み。残りの皿と自分の分まで置き終えると、椅子を引いて腰を屈ませる...昨日までは許されなかった特等席へと座る前に、さりげなく彼の後頭部の寝癖をさらりと指先で辿り。光に透き通るような肌も、何度もブリーチを重ねたのに天使の輪を作る髪の毛も。全部愛おしくて堪らないよ、どうしようか。「 ... ん、どうぞ召し上がってください。 」自分が食べる前に彼の反応を見たくて、今度隣で頬杖をついて眺める姿勢に入ると幸せそうに目を細めて。)
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