匿名さん 2022-11-22 12:40:22 |
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(少女は見たところ6、7歳ほどだろうか。陽光を受けてきらきらと輝く金茶の髪と、何もかもが新鮮だとでも言いたげな好奇を湛えた瞳が印象的だった。彼女はその瞳で店内のあれこれにひとしきり目を留めた後、こちらへと顔を向ける。純真そうな瞳にじっと見据えられると、凍った湖さえ溶かせそうな温かな橙色のせいか、内奥に隠した秘密の全てを暴かれてしまうような心地になる。耐えかねてそっと視線を逸らすも、そこへ持ち得る語彙の中から懸命に探し出したらしい戸惑いがちな挨拶が返されると、またそっと視線を元の位置まで戻し。視界の端に捉えた少女は丁度小さな頭を行儀良く下げているところで、彼女の動きに合わせて緩く波打った髪の先とワンピースの裾がふわりと揺れる。その仕草と幾つか繕われた形跡のある衣類に、少女の人物像の一端を垣間見たような気になれば、知らず知らずのうちに僅かに口元が綻んでいて。見れば青年客も似たような表情を浮かべていて、それが余計に笑みを深くさせる。てっきりそのまま彼女に好きな席を選ばせるものと思っていたところ、彼が少女を遠ざけるように暗に端の席を指定したのを見れば、何か訳ありかと即座に察し。少女が椅子によじ登るのを確認した青年は、案の定そちらに背を向ける形でカウンターに顔を寄せ、声を落とす。「……あの子、あの孤児院にいたんだ」、彼はそう口を切った。青年の話は要約するとこうだ。彼女は解体された孤児院に一人でいたところを彼が保護した少女で、名前はセラフィナ。今は他の孤児院で生活しているが、庭の手入れのために戻って来てしまったのだという。朝から何も食べていないと言うので、何か食べさせてやりたくてここまで連れて来た。と、そういうことらしい。「……それはいいけど、これからどうするんだ?」同じく声を落として尋ねると、青年はどうやら一先ず腹を満たしてから孤児院に帰るよう説得を試みる心算のようで、「――だから、とびきり美味いのを頼むよ!」と悪気のない期待を最後に添えられては苦笑を漏らすしかない。話は終わったとばかりに少女の座るテーブルへと向かう背中を見送って、カウンターに短い溜息を吐く。その一息で情報の整理と気持ちの切り替えを済ませてしまうと、カウンターを出て少女を乗せている椅子の傍へ。両膝を折って右膝は床に、左膝は床と平行に固定すれば、両膝の上へとそれぞれの手を置く。「はじめまして。俺はここの店主のジル・ラズリー」やや見上げた位置にある顔に前置き程度の自己紹介をすると、「きみの名前は?」と続けて問い掛ける。もしその問いに先程青年から聞かされたものと同じ答えが返ったなら、響きを確かめるように一度呼んだ後、本命の質問を重ねるはずで)
――セラフィナ。……好物は。
(/はい、是非ともセラフィナ様のお声で、ジルの名前を呼んでやってください……!呼び方については「ジル」でも「ラズリー」でも構いませんので、お好きなようにお呼びくだされば幸いです!
ロルや展開につきましても地雷等なかったようで安心いたしました。こちらからも気になる点は一つもございません。むしろ子どもらしい情感豊かな感想が可愛らしく、またそれが背後様の文筆の才により巧みに表現されていて、非常に満足度の高い読み物として堪能させていただきました……!ロルの長さにつきましても同様に考えておりましたので、引き続き特に制限なく、気ままに物語を綴ってくださいませ。
こちらこそ、文才、人柄共に素敵な背後様にお相手いただけて光栄の至りです……!背後はここで一旦下がらせていただきますが、展開のご相談の際などにまたお声掛けさせていただきますね。背後様からも何かございましたらいつでもお呼びください!それでは、引き続きよろしくお願いいたします……!/蹴り可)
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