匿名さん 2022-11-22 12:40:22 |
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(粗方の洗い物を終え、濡れた手をタオルで手早く拭きつつカウンターの方を振り返る。昼のピークも過ぎ去った午後四時前。L字カウンターの長辺に設けられた四席のうち、右手から二番目のカウンター席では、老爺の客がスコッチエッグにナイフとフォークを突き立てている。その背後では西向きに取り付けられた窓から穏やかな西日が差し込み、オーク材の床に暖かな表情を与えていた。カウンターに囲われた手広な調理台の縁に軽く両手を突くと、間断なく続く老爺の取り留めのない話に先を促すだけの受け答えをしながら、さりげなく店内を見回す。入り口から見て正面にはカウンター席が四席、右手の南向きのスペースには二人掛けのテーブルが四脚。いずれも食器引きから拭き上げまで済ませてある。白地に水色や黄緑色といった淡いパステルカラーで下半分のみ縦縞模様の描かれた壁紙にも、格別の塗装の施されていない床にも目立った汚れは見当たらず、老爺の他には客の姿もない。テーブル席の一番奥の壁に飾っている風車の絵までは流石に見えなかったけれど、終ぞ広く名の知れ渡ることのなかった無名の画家の絵など持ち出す者はいないだろう。そもそも、素朴ながらも小綺麗な町の軽食屋の様相を呈するこの店に、盗られて困るような高価なものは一つだってありはしない。時間にして十数秒程の確認作業を終え、老爺がいつも通りに「つい話し込んでしまった」と話を結んで席を立ったのを認めると、受付と勘定を担うL字カウンターの短辺へと移動する。代金を受け取り、適度に愛想の良い笑みを浮かべて常連の老爺を見送れば、程なくして再度ドアが開かれ。チリンチリン、と来客を知らせるドアベルの音と共に、店内へと足を踏み入れる爪先は二揃え。一人は馴染みの青年客で、彼が「やあ、ジル」と軽く手を上げるから、こちらもやや砕けた調子で挨拶を返す。もう一人の連れられている少女は見知らぬ顔だったが、余計な詮索はせず、身を乗り出すように少しひんやりとするカウンターに両腕を乗せては、彼女にも「いらっしゃい」と柔らかく声を掛けて)
──ああ、ノトムか。いらっしゃい。好きな席に座ってくれ。
(/PFのご提示ありがとうございます! また、息子の名前も早速お呼びくださり、ついじんわりと感激に浸っておりました……。セラフィナ様も可憐さと聡明さを兼ね備えた娘様にぴったりなお名前で、口に出せば出すほど他には無いなと感じております。改めまして、これからよろしくお願いいたします……!
初回を書かせていただきましたが、ロルの形式、展開その他変更可能ですので、何か気になる点があれば随時お伝えくださると幸いです。状況設定を盛り込んだせいでなかなかの長文となってしまいましたが、お返事は文量を合わせていただく必要はございませんので、半量ほどでも、もしくは更に長文でも、気の向くままに言葉を紡いでいただければと存じます……! ロル中に描写できなかった店の外観はジルよりセラフィナ様の方が先に視界に収めるかと思いますので、背後会話でのご説明になりますがご了承ください。屋根はテラコッタの洋瓦、外壁はクリーム色のざらざらとした漆喰、窓の外側には深緑の両開きの雨戸、といった構造を想定しております。ふわっと決めただけですので、色味等については全く別の色になってしまわなければ表現はお任せいたします。二階建てで一階が店舗、二階が住居になっていて、カウンター奥の食糧庫から二階に上がる、もしくは裏口に出ることができる間取りになっています。)
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