匿名さん 2022-11-07 21:24:44 |
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うん!また後でね。……はー、楽しみだなぁ。
(電話を切って思わず嘆息を零した。俺にとって、進兄さんが迎えに来るまでのこの時間は──時計の秒針が刻む1秒でさえも、永遠に感じられる。待ちきれない。普段であれば、進兄さんの前でついつい背伸びをして大人ぶるけど。何故だろうな、今はそんな余裕を持ち合わせていなくて、同性の俺にも魅力的に映る『彼』を意識してしまう。このブレーキが効かないような、遣り場のない感情は一体?
しかし自問自答した所で正解は出ず、ここ数ヶ月はずっと俺の心を騒つかせる要因にもなっていた。
手持ち無沙汰に、がらんと空いたブランコに座って、晴天の空を一枚写真に収める。その吸い込まれるような青色を眺めていると、いつしか悩みも吹き飛んで己を奮い立たせる気になれた。──そうだ、なるようになる、だよな。いつもの俺で行こう。
……おっ、来た来た。見慣れた車が近づくにつれて胸の内にある高揚感は抑え切れず、笑みがにやり、と溢れる。一呼吸置いて、そして。「 やっと会えたね、進兄さん! 」
ずっと会いたかったその相手に、窓越しにもが伝わるくらいに笑ってみせて助手席に乗り込んだ。)
(/この度は匿名様を長らく待たせて頂いてしまい、申し訳ございませんでした…本年度もよろしくお願いします。)
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