運び屋 2022-10-14 08:43:14 ID:f537a6574 |
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そりゃどうも…今の所嬉しく何もないですけどね。…南西ね。お安い御用ですとも。んっと今まで進んでた方角が確か南南東だから~~~~…大体この角度。何キロかによっちゃめっちゃずれるがまぁ多分合ってるだろ。…にしても唐突だな、どこに行くつもりで?
(まるで彼女の好意的な言葉には胸に響かず、逆に締め付けるくらいに不安を感じるくらいには。して早速挙げられた依頼に余裕とばかりに、ハンドルを回してアクセルに足を押しつける。まず方位磁石なんて大層な安物なんて風化してるものばかりで使ったこともない。方向感覚くらい完璧じゃなきゃ彼女のシェルターにすら辿りつけるわけないのだから。しかしまぁ、これを依頼にしなかったのは何故なんだろうと、当然ながらな疑問が浮かぶ。先ほど言ったものだがこれ位なら報酬額内に十分収まるものなのだが。だからそう聞いたのも自然な事であろう。)
…つまり博士さんをおんぶして歩けと…それならまだトラックを改造してソリにした方がマシそうだな。建造学とか持ってたりします?
(ある程度予想はしたもののまぁそうなるか、と顔に貼り付ける。いや一番良いのはこの小さな博士さんを__いや金が取れねぇからしないが。絶対に。そもそもそんな趣味もない。するならまだ良い体をしたゲフンゲフン。下品な話は置いといて。一度方位を確認するべく、暗くなった砂原の真ん中でブレーキを踏み、砂がタイヤに纏われながらも鉄塊を止まらせ、電源を切ったトラックから降りる。胸に仕舞っていたタバコを唇で食み、凸凹と錆び付いたライターの切々な灯火で灯し、吐いた煙と共に見上げると黒空に彩られた満星。先程まで目先まで闇だった砂漠を淡く照らしてくれるほどの輝き。もし、崩壊されてなければ多くの若者が携帯で見上げて全世界へと拡める位には綺麗な景色だろう。しかし光で溢れた都会は消え、空に移ってしまった光は日常。片手を挙げ、合わせた食指先と中指先との小さな差である星を探す。数秒後に見つけた北斗七星から左に滑ると北に止まり続け、照らす北極星。トラックの直線上と北方位を確認して大丈夫そうと頷けば)
ちゃんと南西に進んでるっぽいんで、ここらで寝るとしますかね。あと夜食。な~に食べたいです~?
(再びタバコを咥えて、トラック後ろに積んでた荷物を解こうと歩むついでに助席に座る彼女に言い伝え)
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