スレ主 2022-10-11 10:07:36 |
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【洋館/大食堂1/ベンジャミン・サイクス】
「…娑婆に居た頃から“知り合い”と呼べるほど長らく(生きてた)奴が居なかった。だから(最低限)で良いんだ、そう(最低限)でな。その方がどっちかが(オサラバ)する時、お互い苦しまずに気が楽で済む――さぁな。そもそも全部見て回った訳じゃないだろ?発電設備も確認してない。それに――この手の人を馬鹿にした様な状況には幾らか(心当たり)がある。」
ツンツンするのは髪だけにしとけと言う同行者(紗龍)にそんな返事を返しながらも、確かに相手の言う事にも一理あるとふと思う。
――余りに人の命の軽い非現実的な環境で過ごしてきた時間が長すぎた、自分自身も元々札付きの悪党だが、そんな事が些細なモノに感じる―“あそこ”じゃ平等に脈絡無き理不尽と不条理が襲い掛かってくる。自分と同じような(使い捨て要員※Dクラス職員)が無残に死んで逝くか、(死ぬ)より酷い有様になっていくそんな地獄の中で(へま)をしない様に正気をギリギリまで保ち小賢しく立ち回り続け精神を磨り減らし続けた結果、自分が自覚する事も出来ないほどに人付き合いの感覚を麻痺させてしまっていたのかも知れない。
まぁそんなモノ今更であるが…
「…何をする気だ?――!」
片手に燭台、もう片手に添える様に構えた拳銃を薄暗いテーブルの下でそれを揺らしている(ナニカ)に無感動に向けて何時でも撃てる様に狙いを済ましていたが――1つ(親好の証)という事で前に出た
同行者(紗龍)は自身が身に着けている装飾品(ブレスレッド)を何やら弄ったと思えば青い稲妻めいた
一瞬の光と共に、青バンダナが特徴的な美丈夫の剣士の姿になっていた。文字通りファンタジー物の作品なんかで出て来そうな。
「(心※…“タイプ・ブルー”って奴か?)――成る程、やっぱり只者じゃ無い様だな。」
―仕組みは分からないが、何かしら戦闘技術に長けているであろう彼(テリー※紗龍)にそう声を掛けつつ警戒しながら(テーブルの下に影)に注視していたが――とうとうソレがずるずると動き出して、二人の前に姿を現した。
ソレは…人が一人入っていそうな薄汚れた麻袋…それがモゾモゾとのた打ち回っているという奇怪な有様だった。
…明らかに中身はロクでもないモノだろうが…
「――撃ってみるか?」
>紗龍
【洋館/1F南側廊下→逃走中/エディー・ドンブラウスキー、???×1(ドア越し)】
彼女(シズナ)が放った大太刀の衝撃波は紛う事無く正確無比に目標を捉え――
ぶちりっ
どしゃっ…
まるで太い枝か何かが千切れる様な鈍い音と共に、黄色の化学防護服(ハズマットスーツ)姿のぶら下がった何かは上半身と、天井に取り込まれる形になっている下半身を文字通り衝撃で(真っ二つ)にされて上半身が廊下に水の入った袋を叩きつけた様な重量感のある音を立てて落ちる。
落ちた防護服姿の上半身はピクリとも微動だにしないが――じわじわと床に赤い血の染みを広げていく…少なくとも(最初から死んで)いた死体だった様だ。
その異常極まりない死に様はともかく――落下した衝撃で死体が握っていたモノ――小型のデータパッド、破損しており画面が映っていない情報端末が血溜まりの中に転がって…
「…し…死んでるの?」
呆けた様に小太りのトラッカー帽子を被った青年(エディ)はそんな現実感をぽっかり失った様な声でそう彼女(シズナ)に尋ねつつ、自分が来た南側廊下に繋がるドアの内鍵を焦った様子でカチリと掛けて…
>シズナ
【洋館/1F客室(110号室)/巴マミ】
血文字を見て――恐怖を覚えた表情で巻き髪の少女は再び窓を見遣るが――その時には洋装の不気味な少女の姿は消え、ただただ指で書かれた血文字だけが雨に濡れて薄れていくのみ。
「あの子は一体…」
そう思わず口にして――廊下の方から何やら人の声と、重量物が落ちた様な物音が聞こえて来て―一先ずベッドから立ち上がった巻き髪の少女…巴マミは今し方自分が巻き込まれている事に関して調査を始めようと決意し、…そうしながら客室のドアに備わっているドアスコープを覗き込んで廊下の様子を確認しようとして…
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【洋館/1F書斎/ベン】
――地獄が満員になったのさ( There's no more room in Hell )地獄が一杯になると( there's no more room in Hell... )溢れた死者が地上を歩き出す。
死者の意味が冥福を祈る相手から生者を襲いその血肉を喰らう物理的な脅威の呼称へとすり替わった世界、仕事帰りにその世界規模の(理)の変換に巻き込まれ命からがら逃げ回っていた一人の黒人系アメリカ人のオフィスワーカーは、気付けばこの何処とも知れない(洋館)の一室に居た。
―全てが夢であったのならば…しかし書斎から見えた雨の降りしきる空と闇夜をゆっくりとした足取りで歩み(洋館)へとやって来る(人だったモノ)の群れを見据え…男は無言で生き残るための(用意)を始める。
先ずは壁に掛けられている狩猟用らしき水平二連式ショットガンを外し、付近の引き出しを漁って16発入りの12ゲージショットシェルの箱を二箱見つけてポケットに無造作に突っ込み、部屋の窓にバリケード代わりの本棚を寄せて覆った。
「……他に誰かいるのか?」
―恐らく(洋館)の何処かから聞こえて来た銃声―それから(人の気配)そのものに男は警戒しながらも耳を済ませて…
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