探偵♀ 2022-09-23 20:42:24 |
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特別…ね。
( 相手の言葉を復唱すると、自分には似合わない言葉だと1つ鼻で笑う。しかし、嫌な気持ちにはならず、それどころか少し安心してしまう自分がいる。
ただひたすら、ぼんやりと料理をする相手の手元を眺めていれば「できた」の声にハッとして我に返った。黄色い卵にケチャップが鮮やかなオムライスを見ると、すでに薄れてきた母親の姿が脳裏に浮かぶ。まさにロクでもない母親だったが…記憶が薄れるにつれて思い出というのは美化されるものだと痛感する。
現に、今脳裏にいる母は薄気味悪いくらいに綺麗で優しく此方に微笑みかけているのだ。)
…ん、確かに、料理の腕はいいらしいな。
( 視線は皿の上を見つめたまま、目を細めて呟いた。料理を勉強したという彼女の技術は確かなものらしく、実際に出来たての良い匂いに釣られれば思わず腹の虫が大きく鳴り響いてしまって。
気恥しそうに目を逸らせば「 食う 」と一言付け加える。 )
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