Evening Primrose　〆

どうやら、調べあげる腕も嘘じゃないらしいな。

…この仕事をしてからはあちこち転々としてるし、飯も適当に店で食ってる。お前のように優雅な生活には及ばねぇよ。

( 嬉々としながら本名で呼びかけるのを聞くと、へぇ、と些か感心したように一言述べる。事件を調べたというのも名前を調べたのも、認めたくはないが彼女の実力らしい。一体何処から調べあげたのかは知らないが、まぁここは素直に認めておこう。
そして、続けざまにお節介な質問に答えていけば、久しぶりに見た豪華な部屋の中を見渡して嫌味のように言葉を付け足した。仕事は夜中だし、ちゃんとした生活とは言えないが、最低限の食と住は確保しているつもりだ。)

まぁ、お前がマトモじゃねぇことは確信した。
……ちゃんとお前のお喋りには付き合ってやるよ。

( 信用の話になれば、自身の後頭をかきながらため息混じりに応える。結果的に牢屋行きにならずに済んだのは有難いとして、その代わりに相手の要望にも応えなければならない。
相手にそのつもりはなくとも、此方の事を知っている上に更なる素性を調べられる彼女を敵に回すのは厄介だ。万が一には此方も手を打つことになるが、それも今は最前とはいえないだろう。)