見た目に拘る事なかれ（〆）

(大学の講義や初の一人暮らし、初のバイトに少しずつ慣れてきた頃。本日の講義が終わり、座りっぱなしで硬くなった身体を伸ばしては立ち上がり帰る用意をしつつ周囲を見渡す。既にグループがいくつか出来ており、自分と仲の良い子たちも集まってこの後どうするか話し合っている様子で。そんな中で目に入ったのは一人帰り支度をする女子の姿、小柄なその子はどこのグループにも属していないみたいだったが、手入れがあまり行き届いてない黒髪、ボーイッシュな感じの服装、何より顔に至っては化粧すらしてないようにも見受けられた。あまり縁が無かったのだろうか？)

もしも～し、そこの素敵なお嬢さ～ん。

(教材と貴重品が入った鞄を片手に、興味本位でその子に声をかけてみようかと近付いては、何やら独り言を呟く彼女の肩をトントン、と軽く二回手で優しく叩いて呼ぶ。声の掛け方がまるでナンパしてるみたいだなぁ、とぼんやり思いながら声を掛ける。グループの子たちは既に去ったようで、講堂に残ったのも自分たちを含めて数人程度に。ニカっと明るい笑顔を浮かべながら言葉を紡いで)

初対面でなんだけどさ、良かったら一緒にどっか行かない？今日バイト休みで暇でさ～。



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