匿名さん 2022-09-15 18:22:16 |
通報 |
( 相手は相変わらず退屈そうで、軽く返される言葉に「 えぇ、きっと 」とだけ返し此方も肩を竦めるとバルコニーから流れる風に一つ息を吸い込んだ。普段、本棟に行く際はまるで空気になったかのように存在感を消しつつ静かに過ごすが、今回は彼が一緒だ。恐らくあの人が黙っている訳もなく、少し夕食の時間が気がかりだが、まぁ、今心配してもどうしようも無いだろう。
何処か他人事のようにそんなことを考えていれば、呆れ返るような声音が聞こえてきて、空を見つめる瞳で数回瞬きを繰り返した。)
………あら、貴方だって、ふんぞり返って私の隣に座っていてもいいの?
油断させておいて、貴方の言う通り“お嬢様”の私が一声上げれば、実は兵がなだれ込んでくるかもしれないわよ?
( 肩から垂れる乳白色の髪を手で振り払いながら背筋を伸ばし、言い返すようにして上記を述べる。閉鎖的に見えて、実はしっかりと兵力を持ち自分の地位を確立しているとなれば、スラム育ちの彼がこうやって近くに座っていられる訳は無いだろう。
もちろん、実際はそんな事全くなく、無垢に言い返さんとする所は年相応のただの少女のようで。こういったところも、また警戒心が無いと怒られてしまうだろうか。 )
トピック検索 |