匿名さん 2022-09-15 18:22:16 |
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( 連れてこられた時よりも大分相手も落ち着いてきているとは思うが、時々噛み付いてくるように嫌味を言うあたり、ここで過ごすことにはまだ納得していないだろう。まぁ、それもそのはずで、彼らが今も尚苦しい生活をしているのは貴族のせいだ。ずっと、この現状をどうにかしたいと思ってきたが、自分の立場ではどうにもならず、もどかしい気持ちが募るばかり。
本のページを捲れば、記された点字の凹凸を手のひらで撫で、小さなため息を一つ。せめて、視力さえあればこんな所にいなくて済んだかもしれないと考えるが、今頃タラレバ言っても仕方がない。)
……あら、お帰りなさい。
気持ちよかった?…あ、私ったら使い方も教えずに。
( ふと、階段から足音が聞こえ、彼がやったきたのを察すれば上記を述べる。そして、浴室の場所を教えただけであって他は何も教えていないことに今更気づき。誰かをもてなしたこともない故に盲点であったと申し訳なさそうに眉をひそめる。
しかし、相手がそれよりも気になったのは、自分が手にしているこの本のようで。あぁ、と優しく微笑めば、手招きをして本を彼へ差し出した。)
“点字”というもので書かれた本なの。この凹凸が文字を表していて、指でなぞって読むのよ。
( / 大丈夫ですよ!おかえりなさいませ(´ω` ) )
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