匿名さん 2022-09-15 18:22:16 |
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ナツキ…珍しいお名前ね。
( 相手も名乗ってくれるとは思っておらず、少し驚きも混じりつつ嬉しそうに上記を述べる。また、此方の言葉におどけたように返答する様子を聞いて、クスりと笑うと「 ミラでいいのよ 」と肩を竦める。相手には些か申し訳ない気持ちが募るが、こうして誰かと何気ない会話をするのは生まれて初めてで、そう考えると彼が来てくれた事がとても幸運に感じる。
小窓の開く音が聞こえると、反射なのかピタッと動きを止め様子を伺う。どうやら何かが投げ込まれたようで、布の様なものを拾い上げる音がした。お父様の言っていた服だろうか、と思考すると、肩の力を抜いて安堵のため息を。)
お風呂はその廊下の奥にあるわ。
あ…できれば、物の位置をあまり動かさないで貰えると助かるの。
( 風呂の位置を聞かれれば、彼のいる場所から廊下で繋がっていることを伝え、思い出したように言葉を付け加える。
一階には入口に浴室や御手洗が、2階には広間と自室を合わせ部屋が4つほど。地図は頭の中にきっちり入っており、物の場所も正確に把握している。しかし、それが大きくズレてしまうと一気に地図がめちゃくちゃになってしまうのが難点だ。
別棟故に造りもシンプルで豪華さにはかけるが、広く良質なのには変わりはないはずだと考え、彼も少なからずゆっくりできればいいな、なんて心の中で呟いて。
階段を登り着れば、ほとんどの時間を費やす広間の椅子へと腰掛け、テーブルに置いていた本を一冊手に取る。文字は読めないが、点字が施された珍しい本だ。)
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