匿名さん 2022-09-15 18:22:16 |
通報 |
いえ、姫君に値するのは姉様だけよ。
私がチェルシー家を名乗ることさえ、誰も良い顔はしないもの。
( 投げかけられた疑問には、それが当たり前と言わんばかりに淡々とそう答える。名家の次女に変わりはないが、自分は欠陥品。それに比べ、姉のイザベラは知識と美貌を兼ね備え、自分のように病気や障害もない。父母からも愛される姉と自分は、比べることさえおこがましいのだ。)
私の髪は老婆の様に白くて、肌も死人のようなのでしょう?
そんな者がお屋敷にいては、お父様達の邪魔になるだけだから。
( 肩から垂れる髪の毛を自ら撫でながら上記を続けると、終わりに「自分では見えないのだけれどね」なんていって赤い瞳は空を見つめたまま小さく笑いかけた。
世間では“目に見えるものが真実”なんて言うけれど、視力のない自分にとっては“聞いたことが事実”になるのだ。自分の病気のことは理解しているつもりだが、実際に傍から見るとどうなのかなんて想像でしか分からない。)
トピック検索 |