世界はあなたの色になる 〆

【沖矢 昴】
信頼してくれるのは嬉しいのですが、もっと、こう……まだ会って間もない異性とひとつ屋根の下で暮らすと言うのは怖くないのですか?
不埒な真似はしませんけど、女性ならもっと怖がったり拒否したりするかと思ってましたが…。
あぁ、新一君はどうやら事件になんやかんや巻き込まれているみたいですね。だから幼なじみの蘭さんにも連絡は稀のようですし…まぁ、たまに学校へ登校したり事件を解決したりはしているみたいですが……以前と違ってメディアへの露出は控えているそうですね?

(心細かったと聞けば、確かにこの広い家を1人で使うとなると、部屋の広さも相まって余計に家に帰った時に誰もいないこの空間が寂しさを増長させるだろう。その気持ちは分からなくも無いが、工藤夫妻や息子の新一、コナン君は自分の正体がFBI所属の赤井秀一だと知っている為、警戒心なんかは持っていない。だが、目の前の彼女は自分の本名も所属も知らず、ただ見知らぬ異性と同じ家で暮らす事になると言う現状にもっと恐怖を覚えたり危機感を持ったりはしないのかと首を傾げ。勿論不埒な真似、強引に事を迫るなんて事はしないと誓うがそれとこれは別だし、いくら夫妻と息子から許可が出ているとは言え怖くないのかと心配とやや説教する時のような口調混じりに問いかけ。どこかの誰かと言う単語にそれは十中八九、息子の新一だろうと推測し。確かにここには滅多に帰らず、コナン経由で事件に遭遇して帰った等の言伝のみを残して幼なじみの蘭さんに何も言わずに帰ったりどこかへ行ってしまう事が多いと聞いている。それに以前は新聞なんかに載っていたのにそれすら無くなり、事件に遭遇しても知り合いの刑事や警部さんに自分の事は言わないでくれと口止めをしている。元々はメディアに出ていた事からやや目立ちがり屋な部分もあった筈だ。それを一切せずむしろ口止めをするという事は、自分の存在を知られては不味い存在がいるという事。自分の中でそんな風に気を張り詰めなければいけない存在は例の組織以外に思いつかない。きっと新一君は何かしらのタイミングで例の組織と関わり、逃げているか何かだろうというのが自分の中で組み立てている図式であり、それが本当なら例の組織は何やら研究をしていたと潜入中に軽くだが、耳に挟んだ事がある。その研究による成果のものかはともかく、自分では工藤新一は例の組織と関わってしまい逃走、又は身分を偽っている。そして正直に言うと信じられないが工藤新一＝江戸川コナンでは無いか。と言う図式である。そうでなければギフテッドとしか説明が付かないような知識の豊富さ、洞察力、推理力。それらが全て工藤新一だとしたら納得がいくのだ。と言ってもそれはあくまで自分の中での憶測。彼女にそれを言う必要も無ければ、言った事で彼女も巻き込む可能性からその事は口にせず、有り触れた普通の言葉を口にして)


【白井 鈴菜】
いやまぁ、ドラマとかだと嫌われ者と言うか…あまり良い印象を持たれてないみたいな描写が多いですけど、公安の人って国家転覆レベルの情報を握ってるってテレビでもやってたりしますし。
やり方はともかく日本そのもの、ひいては私達がこうしてテロだとかに巻き込まれずに暮らせてるのは事実なので……。
私はこの時間以降か、土日祝は休みなのでいつでも大丈夫ですよ。
そちらはお忙しいでしょうし、連絡さえくれればいつでも大丈夫なように予定を空けておきます。

(自分の言葉が意外だったのか目を見開いた彼の姿に、実際公安の人達はテロだとかを未然に防ぐ為に潜入捜査をしたり、張り込んだりと言うのをテレビでやっているのを見た事がある。米花町は確かに事件とかが多くて物騒な街ではあるが、言ってしまえばそこまでなのだ。テロは始めとしてどこかが大爆発して甚大な被害を及ぼすような事件や事例は無いに等しい。それは目の前の彼なように人知れず暗躍して未然に阻止してくれているからだろうと考えるのは当然の事で。そして彼が浮かべた笑みを見れば『うっ…イケメンの微笑み。眩しい』と若干思考が阿呆な方向へ飛ぶも、書類提出があると聞けば、思ったよりしっかり管理、保護をするんだな…と思うと、今日は特別遅い時間で仕事が終わったが普段はもっと早く、それこそ定時の5時には仕事は終わるし、事務職なので土日祝、大型の休みもあるので自分がそちらの予定に合わせると言うと、こちらもスマホを取り出し予定を確認するも、今のところ寂しい事に何も予定は入っておらずいつでも大丈夫と言いつつ、連絡先は交換した方が良いですよね?と首を傾げ)