世界はあなたの色になる 〆

【沖矢 昴】
そうだったんですね。コナン君から留学しているとは聞いていましたが…いきなり見知らぬ男が居て驚きましたよね。
どうぞ、ここは元々貴女方の家ですので。色々と聞きたい事もあるでしょうし……キャリーバッグ、お部屋の近くまで運びましょうか?嫌でしたら私はリビングにいますが…。

(新一の方は何やら多忙と言うか、メディアにも出なくなった点や、ここにも帰ってくる様子も工藤夫妻の所にも居なさそうな事から何かに巻き込まれている可能性がある為、彼女と連絡を取れなかったと言うのはまだ理解出来るし、コナン君は彼女と面識があるのかも分からないから連絡先を知らない可能性を考えて、それも仕方ないとは思う。だが工藤夫妻は一応念の為に娘に連絡出来ただろうにと若干思わなくも無いが、元はここに居候させてもらっている身。あえて何も言わず、とりあえず大きなキャリーバッグを運ぼうとする彼女を見れば、女性の身でそれを運ぶのは大変だろうといつものように仄かに微笑みを浮かべながらそう提案しつつも、嫌ならリビングで待つとも言って。そしてこちらもまたFBIに所属している身、彼女の視線が一瞬とは言え自分の体を観察したのを目敏く察すれば、これは彼女が荷物を整理している間に坊やに電話をとって打ち合わせをする必要が出てくるかもなと内心考えており)


【白井 鈴菜】
そこは、ほら…ダイエットも兼ねて、気合いですかね…?
え、お巡りさん?こんなイケメンが?
って違う、えっと……その条件と言うのは?

(金髪の彼からの指摘に自分も自分が指差した路地に目をやれば、確かにこれは子供でも無理だな。と思いはした。と言うより指摘されてやっとその路地の細さを確認した辺り嘘をつく気があるのかとすら思うが、本当に嘘が下手な性格で。そして子供ですら入れなさそうな細い路地に関してはまさかの気合い発言で通そうとした時に、相手から警察手帳を見せられれば、少しだけ警戒心を解くも、続いて言われた条件と聞けば、無理難題を出されるのかなとヒヤヒヤしながら問いかけるも、その問いかけ自体がテレポート能力を持つと言外に言っているようなもので。とりあえずはその条件さえ飲めば黙っていてくれるという、そうすれば秘密がバレることも無いとやや期待の籠った表情と目で相手の言葉を待ち)