匿名さん 2022-09-06 09:49:48 |
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ええ!中庭からの景色は本当に素敵で、私とても大好きですの!…ああでも、やっぱり1番思い入れのあるお花といえば、昔セシル様がくださった青の薔薇ですわね。
中庭にも植えられればいいのですけれど……って、そもそもあれはセシル様が作ってくださった物ですし、伝説級の代物なのですから何度も見られる物では無いですわよね!
( 用意されたティーカップに口付けながら中庭に咲き誇る色とりどりの花を楽しんでいると、ふと頭によぎったのは入学式の日に彼から頂いた世界にひとつしかない鉢植え。物が物だったために驚きはしたが、あの鉢に植わっていた美しい青い薔薇はきっと生涯忘れられないだろう。また見られたら、なんて妄言にも近いちょっとした欲は、あの薔薇が簡単に手に入る物ではない…いやもしかしたら、あれが最初で最後の花だったと言っても過言ではないだろうという考えに打ち消され。何せ伝説級の、その存在を作り出すことは不可能と言われた『青い薔薇』なのだから。つい口をついて出てしまった願望にハッと気付くと、今のは冗談だと笑いながらクッキーに手を伸ばし )
……っあ、あの、セシル様…!こうしてお菓子を作るのは久しぶりですし、実は味見も出来ていなくて……。…その、お口に合わなかったらどうか正直に仰ってくださいませ!
( 口に運ぶ寸前ぴたりと動きを止め、手作りとは言ったものの味の保証が無いことを思い出し。彼が口にする前に、念のための一言を添えておかなければ。一瞬でその思考が巡ると、申し訳なさそうに相手の様子を伺いながら言い訳にも近い説明を。料理は苦手ではないが得意とも言い難い。かつてのシーリカ様のように、見た目も味も完璧なクッキーが焼けるにはまだまだ腕が足りないのだ。あの頃はいかにして殿下とヒロインをくっつけるかという頭しか無かったのだが今は違い、ただ純粋に好きな人に手作りのお菓子を振る舞っているわけで。もちろん反応が気にならないわけでは無く、かと言ってお世辞が欲しいわけでも無い。おずおずと、しかし覚悟を決めた面持ちで相手を見つめて )
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