通りすがりさん 2022-09-03 23:20:52 |
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( 恋愛は向いていないという彼の表情はいつもの様に素っ気なかったが、何処か諦めているような印象を受けた。きっと、自分の知らない内にそう思ってしまうような経験をしたのだろうか。
それこそ、小説の中でも恋愛は楽しいことばかりでは無いし、向き不向きがあるのは確かに当然のことかもしれない。
相手の言葉に、そっか。と小さく相槌を打つように呟くと、少し考えるように俯く。しかし、次の瞬間には身を乗り出して相手の手を取って握り締めた。)
雪は、向いてないと思ってるかもしれないけど…
好きな人がいないならさ、俺、諦めないけど、いいかな?
( そう言って柔らかな笑顔を向けたまま、相手の手を包む両手に力が入る。
自分本位で身勝手なことだとは分かっているが、相手の顔を見ているともどうしても抑えることができなかった。
もちろん、こうして会えただけで奇跡だと思うのは本当だが、許されるのであればずっと好きでいたいし、彼にも自分がいかに素敵な人であるか少しでも自覚して欲しい。 )
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