通りすがりさん 2022-09-03 23:20:52 |
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……、はい。
( 自分の口から出た言葉が俄に信じられなくて、恥ずかしさと絶望感に苛まれて思わず両手で顔を覆い尽くして佇んだまま。
相手からの言葉には後にも引けなくなって、とりあえず上記を返事すれば “どうぞ” とやっとのことで家に上がることを促す。
一人暮らしの部屋にしてはやや広めの1LDK。いつもはとっ散らかっている事も多いが、新担当が来ると聞いて掃除は済ませていた。今思えば本当にやってて良かったと思う。
ソファーに座るよう促し、そのまま静かにお茶でも用意すれば相手の前に差し出して。ふぅと息をついて力を抜き、いよいよ対面に座れば )
__は、初めまして。あの、水 涼香、です。
( 思い切り目を逸らしたまま情けない自己紹介を告げて。挨拶に至っては多少語弊があるかもしれないが、何せ小説家として会うのは初めてだ。それにしても、自分のせいとはいえ凄まじく気まずい。 )
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