匿名さん 2022-09-03 19:19:45 |
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【 ラギー・ブッチ 】
は───、ッうわ!?あ、な、急に……っああもう、…
(こちらを突き刺し続ける視線が少し和らいだような気がして、無意識に強張っていた肩の力を抜き、いつも通りに背中が曲線を描いて。しかし安心したのも束の間、すぐに隣から聞こえた拗ねたような声に一瞬警戒するも、その発言の突飛さを聞けば全てが吹き飛び呆然と立ち尽くし、あまりの驚きに手が緩めば廊下にタッパーが転がって。その音でやっと我に返ると今度は彼女の言葉を咀嚼してしまい、じわりと顔が熱を持つ瞬間を自覚し、慌てて顔を伏せタッパーを拾い集める。再び腕の中に積む過程にもぶつくさと意味を成さない単語を幾つか漏らし、その度頭の中もぐるぐると渦を巻く。まるで嫉妬だ。自分に想いを寄せているかのような発言に聞こえるのは自惚れではないだろう。彼女が自分に好意を抱いている可能性が生まれたことに思いの外舞い上がる自分が酷く情けない気がする。いつの間にか二人の間に無言の間ができていることに気が付けば慌てて考えを回し、捻り出した一言をぽろりと零すと、居た堪れなさに耐えかね答えも聞かずに食堂へと歩を早めて。)
…………ぜ、善処シマス。
【 ドロシー・エルリッチャー 】
ええ、今日はそれで十分。…妙な話に付き合ってくれてありがとう。
(はぐらかしても継続する好奇心に満足げに頷き、指でそっと彼の手を撫でてから解放し、そのまま彼を見たままほんの数歩下がる。背後に見える鏡へと一瞥を向け、これでお開きだということを言葉無しに相手にも伝えると改めて向き直り、つい数分前と同じように緩りと両腕を開いてみせて。口角の上がって唇を一度閉じた後、色付くそこからくすくすと笑い声が零れる。悪戯っぽく付け加えるのは彼の寮長の話で、しかし最終的にどのような行動に出たのかは言わずに打ち切る。さて、どういう態度に出るだろうか。行動原理は彼のスタンスを探ることと、加えて言えばらしくもないちょっとした好奇心か。細めた双眸でじっと彼を見据え、観察していることを隠さず相手の動向を窺い。)
お別れに抱き締めてくれる?───これ、アズールさんにも言ったの。少し面食らってたかな。
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