匿名さん 2022-09-03 19:19:45 |
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【 レオナ・キングスカラー 】
…………、
(そろりと動いた気配と、僅かに軋むベッドのスプリングに彼女の動きを察して警戒するが、直後に投げ掛けられたあまりに無遠慮な言葉に警戒さえも霧散する。胸中を掻き乱されて僅かに眉を寄せるが、抑えきれない衝動が怒りなのか悲しみなのか困惑なのかさえも判断がつかず、ただ黒く濁った不快感として心を満たすのを感じ。どの感情を吐露しても自らを貶めることになる気がして進退窮まり、疲労に押し潰されそうで再び横向きになると猫のように背中を丸める。答えなんか見つかるわけがない。自分と向き合うのを避け投げやりに鸚鵡返しの問いを口にすれば自分で思っていたよりも声音は穏やかなもので、燻る苛立ちが行き場を失くして余計に暴れ始め、身を覆う薄い布団を握り締めて皺を刻み。)
……さあな。お前が俺の立場だったらどう思う。
【 ドロシー・エルリッチャー 】
ええ、十分です。円満に決められてよかった。
(彼の提案に柔らかく微笑みを返す。慣れない環境の中での日々の勉強と予襲復習、これまでとこれからの恋人たちへの対応と、美容のための睡眠時間。これからは放課後と休日のアルバイトが加わって丁度いい忙しさだ。これで余計なことを考える暇もなくなる。
契約書の文面は適宜確認するつもりではあるが、一先ず相談内容としてはこれで固まっただろうか。ふう、と息を吐いて少し瞼を下ろした後、ただの世間話だと示すように他所行き用の顔を崩してはにかんでみせる。契約の内容が不平等でないのはお互いの優位性が関係しているのは勿論だが、彼がこちらを警戒している証拠でもあるだろう。少し心象を緩めなければ。言いづらそうに声音を揺らして評判の話を持ち出し、小さく肩を竦めてみせ。)
ごめんなさい、気が抜けちゃって。ご本人に言うのもどうかと思うけど、…あまり良い評判を聞かないものだから、不必要に緊張しちゃったの。
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