匿名さん 2022-09-03 19:19:45 |
通報 |
【 レオナ・キングスカラー 】
挨拶なんかしなくたってお前のことは覚えてる。これで十分か?
(瞼の裏の暗闇を見詰めながら、背中越しに音を拾いその行動を把握する。挨拶だと宣う声に機嫌は悪くなる一方だ。先程の寮内を案内している最中に戯れついてくるのならまだしも、全て終わった直後に来るのが気に入らない。お察しの通り疲れているのだ、早く寝かせてほしい。彼女が零した不安にぶっきらぼうにアンサーを返すと、溢れた不満が尻尾に表れマットレスを叩く。少しの後、深く溜息を吐くと観念したように上体を起こし、不機嫌であることを表情にありありと表しながら相手へと体を向ける。なぜか腰を落ち着けるその姿を目に留めると一瞬眉を寄せ、長話なのかと予想を立て再び溜息を漏らして。一刻も早く寝たいというのに、こうして向き直り姿を見ると絆されてしまうのは出身国の性か。胡座をかいた膝の上に肘を突いて彼女を見据え、一先ず突き放すことはせずに相手の出方を窺って。)
……用があるなら今全部済ませろ。何度も来られても困るんでな。
【 ドロシー・エルリッチャー 】
廊下ですれ違ったときにお顔を拝見して、それ以来貴方のことが頭から離れない───なんて、思い至らない?一目惚れのご経験はなさそうね。
(こちらの言葉を未だ飲み込みかねている彼の様子を微笑ましげに眺める中、不可解そうな質問には一瞬きょとんと眉を上げ、しかしすぐに笑みが帰ってくる。胸に手を当て瞼を下ろし、以前の記憶へと浸り懐かしむような声音で例を挙げた後、曖昧に暈して笑ってみせ。彼が指しているインフルエンサーとは恐らく寮長のことだろう。顔は思い出せないが、以前話した際に“綺麗だ”と思ったことは覚えている。カリスマモデルに愛されるというのも悪くはないが、芸能人ともなれば既に相手がいてもおかしくない──と、そこまで考えてはっと口元を押さえ。そうだ、恋人がいる可能性が頭から抜けていた。いざとなれば躊躇わないにせよ略奪は趣味ではない。しっかりと本人に確認を取らなくては。軽く身を乗り出して切なげに声を揺らし、拗ねたように唇を結んで。)
……もしかして、既に心に決めた方がいらっしゃるの?どんな方?私よりお綺麗なの?
トピック検索 |