匿名さん 2022-09-03 19:19:45 |
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【 ヘレナ・アンティパス 】
それはどうだか。
…それじゃあそろそろ解散みたいだし、私は少し用事があるから。また関わることがあったらよろしくね。
( ここでは絵も音楽もなんの意味もなさないなんて口ぶりに首を傾ける。自分はサバナクローで他の男子生徒を押しのけて頂点に立ちたいわけではないし、最初から興味があるのは夕焼けの草原の第二王子だけだ。彼がどんな人であるかはわからないが、自分の知る金持ちと同じような人物であるのなら自分の今までが無駄になるとも限らない。
そのうちに上級生による寮の説明が終わると、新入生たちが割り当てられた各々の部屋へ帰っていく。一日の緊張と新しい暮らしへの昂りでざわめく新入生たちを眺めては、早速王子様へのご挨拶にでも行こうと思案する。そのためにラギーに片手を振って別れを告げ )
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【 アズール・アーシェングロット 】
ええ、もちろんです。…ただ、貴重なものであれば対価も相応になってしまいますよ。それでよろしいんなら、ぜひドロシーさんのお力になりましょう。
( 自分で言うのも何だが、自分の契約にはあまり良い評判がない。それなのに彼女は好き好んで自分と契約を交わしに来た。事前調査の甘い人間なのか、それともどんな対価をもってしても叶えたい望みがあるのか。そんな思案を巡らせていたところで彼女の口から出たのは"契約についてよくわかっていない"なんて言葉。ということは、詳しいことを知らない状態で自分との契約に来たのだろうか。そんな予想が浮かんでも警戒心が緩む様子はなく、かと言ってそれを顕にすることもないままにこやかに受け入れる。何でも叶えてくれるのかと、貴重なものでもいいのかと尋ねてくる彼女にいつも通りの商人口調で説明をする。彼女から手に入れるとしたら何がいいだろうか。整った見目を利用してラウンジの手伝いをさせれば売り上げも向上するかもしれない。そんなことを思いながら彼女を見据え )
それで、ドロシーさんは何をお望みなんです?
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