さすらいの旅人さん 2022-08-31 15:48:09 |
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(デットエンド号の甲板、一つの影があった。大小二振りの刀を携えたソレは深々と溜息を吐くと、水平線の彼方を見据え)
「…強いヤツが此処に降って湧いてこねぇもんかな…」
(と一人ボヤいていた。この船に強者が居ない訳ではない。だが、同じ船で過ごす者同士諍いを起こす事はしないと生き返る条件として呑んでしまったが故にソレも出来ず、はたまた時折金目の物目当てに乗り込んで来る連中はどれもこれもが退屈する程弱かった)
「いっそ鯨でも斬って…いや、流石に鯨を斬るまで落ちぶれちゃいねぇか」
(自分はあくまで人を斬るのにこだわっている。それを曲げてまで何かを斬る程、理性を喪ってはいなかった。だが、この退屈が消える訳でもなく、結局)
「…酒でも呑むか」
(酒に逃避するのが関の山であった。刀の柄を撫でると酒瓶を頂戴しに貯蔵庫へと足を向けた)
(/プロフ許可ありがとうございます。早速ですがall文を出させていただきました)
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